日記

日記です

程度を知って律儀に傷つく

もう何度目か、いや何百回とぶち当たってるはずのことだけど、自分の程度を知って、毎回毎回律儀に傷ついている。

もういい加減に新鮮味がなくなっていいことだと思うんだけど、私の根底には「嫉み」がしっかり根を張っているから、いつでも風が吹けば芽吹く。

なんのことかと申しますと、最近、素敵だと思っている女の子が、自分の好きな人とデートをして、それが上手くいきそうなのだ。

それは、彼女を妬む気持ちには一切ならないし、普通にそんな話はきゃあきゃあ言いながら楽しめる。

が、しかし、ここで嫉みが芽吹くのだ。
私には起こらないのだろう、と。

普通に自分の生活圏に好きになれる人が現れて、行動すれば結果が伴う。

各方面からデートの話ぐらいは聞くが、私が今まで特に気持ちが平坦でいられたのは、それらは出会い系アプリだったりするからだろう。
出会い系アプリをバカにしたいわけではなく、根本的な理想とは違う形だから憧れなかったのだ。

根本的な理想とは、先の「普通に出会って」などである。
この「普通に出会って」を、そんなもんないもんねー、ねー、と言ってそもそも手に入らない、買えないシャネルのバッグだったから、羨ましくなかったのだ。
しかし、ごく普通に、当たり前に手にしている人を見れば、突然、これまで"ないこと"にしてた理想とのギャップの穴が簡単に現れる。
それはオブラートみたいな薄いもので覆ってただけなので、風が吹けば、小雨が降れば、案外簡単に露出してしまうのだ。
シャネルを買う金がない。

そういうことが起きたので、私はまた律儀に、シャネルを買う金がない、ことを痛感し勝手に傷ついているのだ。

元ラッパー 辞めそう

「なんかハゲキ◯ガイ泣いてない?」

夕方オフィスに戻ってきたコンサバ女子からそうラインが来た。
ハゲキ◯ガイとは私たちのライン上での元ラッパーの呼び名である。

業務終了時間少し前から、元ラッパーと50歳女部長は出入口前の会議室で面談を行っていた。

オフィスにはぼそぼそと話し声は聞こえるものの、内容までは聞き取れない。

この一時間ほど前、副社長が外出するとき、元ラッパーのところへ来て「体調大丈夫?頑張ってね!」と意味深なことを言い出ていった。

たしかに今週の元ラッパーはストレスフルだったかもしれない。
火曜日の午前中は、おそらく、私が辞めることを部長から告げられ、その日の午後は会長とわざわざ外で面談していた。

そして木曜日は、疑惑の多い「自宅勤務」の申請で、面倒なルールを課せられ、とうとう部長からもキレられる。(元ラッパーがあまりに横柄な態度だったので当然だし、今さら?キレるのおせーよという感じだが)

そして昨日、金曜日は、(コンサバ女子からの情報によると)元ラッパーはめずらしく始業30分以上前に来ていたようで、コンサバ女子がオフィスに入ったところ元ラッパーが部長に「ありがとうございます」とか言っていて、コンサバ女子の存在を認めるとシーンとなった、そうだ。

コンサバ女子の先輩も、昨日の部長のキレ方を見て、元ラッパー辞めそうだ、と思ったらしい。

しかし、

私はこれらを見て、"元ラッパーも事の重大さを感じた"とは思わない。

単に、最近想像以上に会社の居心地が悪くなって、おそらく、今まで生きてて"アウェイ"な状況になっことがないから辛くなっちゃった、というだけだろう。
そこに、後悔や、反省、罪悪感は皆無だと想像する。
(後悔、反省、罪悪感、を感じられる人間ならそもそもレイプをしない)

元ラッパーは、絶対にイジられキャラにはならない、上から目線でイジる方である。
会社でもどこでも常に堂々としていて、自信家で意見が衝突した時は、口調や態度に不満を隠さない。おそらくそうしたマッチョな態度は、元ラッパーの理想とする男性像であり、それを見事にトレースできている自分が好きだっただろう。

しかし、オフィスでの不祥事が明るみに出た今は、また以前のような振る舞いをしようにも、なかなか上手くいかない。

部長は気まずいのか、元ラッパーを可愛がってただけにコンサバ女子に性欲を抱いていたことが相当ショックだったのか、格段に元ラッパーに話しかけなくなったし、私は私で完全にシカトしているし、私が少しキレて以降は、部全体の会話が半減した。

オフィスはシーンとしていることが多い。

元ラッパーが何か言っても私と部長は無反応で、それを拾うのは、40歳男性と40代女先輩となるが、シーンとしているせいか40歳男性はいつも眠そうだし、私が部長の話を拾わなくなって会話の矛先がいつも向けられる女先輩は、さすがにコミュニケーション疲れが見える。

例えば私なら、パッとしない状況や、理想の私になれない自己実現できない会社、というのは今に始まったことではないし、会社にそこまで求めていないので、シーンとしたオフィスも、つまんないけど楽でいい。
しかし、会社と自己表現が結び付いているようなタイプの元ラッパーにとっては、"俺らしく"振る舞えない場所で1日の大半を過ごすことはかなり苦痛なのだろう。

それに、性格的にも我慢ができない、自制心の乏しいタイプである。
多少の我慢を強いられるだけでもストレスフルで耐えられないのだろう。

今までは「自宅勤務」も音声のみのスカイプを繋いでおけばOKで、部長の寵愛を受けていたからこそ、なあなあにやってこれた。それなのに、急に今後は1日のスケジュールを開示して、アプリでその日の仕事の出来具合を共有し可視化する、となれば面倒な事務作業が増えるし、サボっているのがバレるのだ。

そうした生活が今後続くと思うと、耐えられないのだろう。

そうしたわけで、元ラッパーは辞めることにしたのだろう。
本当に身勝手で幼稚な野郎である。

オフィスゴシップその後

https://www.buzzfeed.com/jp/akikokobayashi/kagai-higai?utm_term=.fqx28V1vX#.eyvxgnBqy

性犯罪の加害者心理↑ 読むと元ラッパーの行動の背景にあるものがよくわかる。

年度末だったからなのか、自宅謹慎があった2月以降、元ラッパーは格段に「自宅勤務」や休みが増えた。

週1ペースでオフィスにいなかったように思う。
この期に及んでまだ「妻が風邪で」「子供が熱で」を理由に自宅勤務または休みをとる姿に厚かましいやつだと思っていた。

女性部下に暴行をはたらいておいて、まだかつての家族思いの夫みたいなことをやるなんて、とんだ厚顔無恥だと思った。

上司も特にお咎めなしで(顔を見ない方が平和だったのかも)それは粛々と受け入れられていた。

たまにオフィスに顔を出したかと思うと「◯◯のアンケートやってくれてる?あれ、やるのやんないのとじゃ、アメリカの対応全然違うから、かならずやってくれ、な、あいつらだって人間なんだから、アンケート書いてくれてるやつの申請ならすぐやるから…」

「あいつらだって人間なんだから」
という文言を度々使っており、噴飯ものである。

かつてより、デスクでシーンとしてることは増えたものの、相も変わらず生き生きと野球の話などする姿には「反省」だとか「後悔」を想像することはかなり難しかった。

そして3月末の1週間は、3日休んだ。
火曜日はもともと卒園式で休みだったものの、月曜日は嫁が風邪、水曜日も嫁が風邪で自宅勤務していた。さらに、自宅勤務の間に頼んでおいた翻訳が完成しておらず、40代女先輩もさすがに不信感を見せていた。

それから1週間。今日元ラッパーは自宅勤務を申し出た。
そこでとうとう部長は行動に出た。
自宅勤務の間のレポートを出すようルールを作ったのだ。

さっそく今朝、電話口で部長は「で、とりあえず口頭でいいから午前中の予定を教えて」
「あとは?具体的には?それと?」
「いや、これからやるんだから、ある程度やること決まってるでしょ。」
と苛立ちを隠さない。

「あとは?具体的に、具体的に教えて」

と言い終えたところで電話を切られたらしい。
聞くと「夜間対応で疲れてるんで休みにしてください」と言い捨てて一方的に電話を切ったようだ。

さすがに部長も激怒しかけ直し、会議へ消え、電話でかなり怒っている声が聞こえた。

私は、この元ラッパーの幼稚で横暴で身勝手な行動が露見したので愉快で仕方なくマスクの下で笑っていた。

その後、部長はどうも会長に電話し、副社長とも話し合いをしていたため、おそらく元ラッパーは辞めるのではないだろうか。

それより先に私が辞めるので、もはや元ラッパーが会社に残ろうがどうしようが知ったこっちゃない。

しかし、なんとなく「反省してない」と感じていた、私の元ラッパーへの見方は正しかったことが証明されたようで愉快である。


コンサバ女子も来週で辞め、私も来月には有給消化に入る。

しかし、元ラッパーが犯罪を犯してもなお平然とし、頻繁に休みを取ることに抵抗のない様子からも、なんなら自分が労られる立場だと言わんばかりの態度には、先に貼った性犯罪の加害者心理を読むと、その行動理由がよく理解できる。
(つまり人間としては理解できないのだが)

加害者は本当に身勝手で、起訴されると「え、何日くらいで出られるの?クリーニング出したやつ取りにいけない、歯医者には行ける?」と、自分の予定が丸潰れになることばかり心配して、そこに被害者を考える余地すらないのだ。

これなら再犯なんていくらでもやるだろう。罪悪感の欠片もないのだから。

それを当てはめると、元ラッパーが(自分に風当たりが強いのが)不満に思うのも、どういう要件なのかわかる。罪悪感もない、反省は上部だけ、俺は悪くない、のだから不当な(私から見れば当然の、いや、甘過ぎの)扱いに納得がいかないのだ。

またやることは明白である。

人は変わらない。

オフィスゴシップからの転職活動③

コンサバ女子がキレて、女部長から電話(私からかけたんだけど)というカフェで修羅場を迎えたのが2月の最後。

翌日はとりあえず普通に出勤し普通に仕事を終えた。今まで通りある程度女部長とも雑談などするのの、明らかに女上司は私に顔を背けるような態度が多かった。

前日の電話で、私がコンサバ女子にこのことを話したとなると「○○くん(元ラッパー)にも言わなきゃなんだよなぁ…」と漏らしていたが、それはつまり、元ラッパーは私をはじめ私たち同じ部署のメンバーも知っている、ということを知らないということなのか?
私はてっきり私たちに話した時点で元ラッパーは承諾済みなのかと思っていた。
それになんなら、元ラッパーは私たちに話すことを承諾したのなら、少しは評価を持ち直すとも思ったのだか。

そしてその日、女部長はいつもなら「お昼どうするー?」などと確認をとってからランチを買いに行くのに、その日は「じゃ私はお昼行ってきます」とさりげなく元ラッパーと共に外出したのだった。

ふーん、私が知ってる、てこと話すのか、と思いながら見送り、その午後から夕方にかけては、女部長と副社長らがバタバタと再び会議をしていた。

コンサバ女子は午前半休だった。(前日帰るとき私たちからそう促したのだ。またきっと呼び出しと尋問が始まるだろうからと)

そしてその翌日、出勤時間ギリギリになって、元ラッパーから体調不良のため自宅待機で仕事をさせてほしい旨の連絡が入った。

私が知っているということを知らされ会社に来れないのか?と思った。
ちなみに、よく元ラッパーは子供が風邪とか嫁が風邪とか出社せず自宅対応をすることがあるのだが、そういう時はたいてい、朝早くに連絡がくるため、出社時間ギリギリに連絡ってことは、もしや会社近くまで来てたけど来れなかった?と思うと、推測ではあるが鼻で笑ってしまった。

自分のヤリたいこはヤるけど、それがバレて針のむしろになるのは嫌だってか?笑

その翌日から元ラッパーは普通に出勤し、バタバタした会議が終わった女部長はケロッとして平静を取り戻していたように見えた。

事実、これまで通り雑談を振ってくるようになったのだ。
対して私は「合意なんて言ってない」発言以降、部長の顔を見るのも声を聞くのも嫌になり、風邪をひいているのをいいことにマスクをして口数も減らしていた。

そうしてやり過ごしていた一週間のラスト、金曜日。私はちょっとキレてしまう。

ランチが終わり午後の仕事にとりかかろうとしていたとき、女部長が話しかけてきた。

部長「昨日テレビ観た?」
私「あーテレビつけてました」
部長「○メトーク観た?」
私「(実は観ていたが会話がめんどくさいため)あー、寝ました」
部長「私も見てないんだけどさー、録画したのこれから観るんだけど、昨日ね、○メトーク、ちくわ芸人だったのー!!!!!」

なぜ私が「観てない」と嘘をついたのかというと、部長は部長のプライベートの友人たちと内輪のブームで「ちくわ」で盛り上がっているらしいこを、以前から聞いていたのだ。
だから観たと言ったら話が膨らむと思い、せっかく嘘をついたのだが、是が非でも「ちくわ」の話がしたいらしい。

私「へぇー、ちくわ、キテるんすね」
私「ちくわ、ブームじゃないですか」

と低いテンションで玉を打ち返す。


ここでふと元ラッパーをみやると、(この騒動以降ずっとそうなのだが)デスクでおとなしーーーくしている。

おい!テメエのせいで私はこうなってんだぞ!こんな無用な苛立ちと不信感を抱えて生きてんだぞ!
せっかく無視してんのに、部長がべしゃりかけてきてんだよ!これからは部長の雑談は全部テメエが相手しろ!!!!!!!!!!

という苛立ちがマックスになった。

部長「え~~!なにそのテキトーなかんじ~」

と部長は無神経に、喋りかけてくる。とんでもねぇ嘘ついといて、いったいどの面下げて喋りかけてくんだ!
そんな気持ちが募って元ラッパーに無理やり話を投げつけた。

私「○○さん(元ラッパー)、ちくわ、好きっすよね?好きでしょ、ちくわ。ほら、ちくわの話で盛り上がってくださいよ!!」

と低いテンションで投げつけ、私は書類を抱え違うデスクへ消えていった。

私の隣の女先輩はひたすら「あはははは」と笑い、40歳男は無言、女部長は白々しく「え???ちょっとなになになにー??????」と40歳男に向かって疑問を投げ掛けていた。

このオフィスでキレたのは初めてである。

幸い金曜日だったので明日は休み。
その日は、その後、私は何事もなかったかのように穏やかに口数少なく過ごし、翌週から本格的に転職活動をはじめたのだった。

ちなみに、キレてから二週間ほどたつが、私はいまだにマスクをして会社に行き、集団下校からはあからさまに離脱している。

最初はいつもの三人で駅まで帰ったものの、部長が降りたあとの電車では、40歳と女先輩との会話に一言も参加しなかった。
その、翌日もやはり集団下校が面倒に感じ、一度みんなで外に出たものの、私は道の途中で携帯を忘れたと嘘をつき離脱。

その後も、今日は反対の駅から帰ると嘘をついたりした。

ちなみに、コンサバ女子から聞いた話では、コンサバ女子は正式に辞めると申し出て、営業部の部長は、うちの部の女部長に
「合意と言われて○○さん(コンサバ女子)は嫌悪感を持っています、合意と説明したのならばきちんと訂正してください」
と言ったところ、またもや「合意なんて言っていない!」と突っぱねたらしい。
そして、コンサバ女子にもラインで長文の迷文が届き、そこにも「合意とは一言も言っていません」と記載があった。

また、私がコンサバ女子から話を聞いて泣いていた、との証言がだれかにより女部長へ、わざわざラインでリークされていたことも発覚。

おそらく、40歳男、あるいは女先輩である。
私が泣いていたことを心配していた、とも思えるが、しかし、普通心配しているのなら、私に直接「どうしたの?」と言うはずである。

そんなわけで、女部長をはじめ、部長に従属的な部下たちにも十分に嫌気がさし、完全に辞める理由は整ったのだった。

オフィスゴシップからの転職活動②

なぜか私の部では仕事がはやく終わった時など皆で帰る風習があり、面倒ながらも私もその集団下校で帰っていた。
ちなみに、元ラッパーはいつも定時ですぐ帰るので基本的に集団下校のメンバーは、私、部長(50歳女)、女先輩(40代後半)、40歳男(新婚)である。

その日も駅までそのメンバーで帰り、私は買い物に寄るといい、コンサバ女子と待ち合わせのカフェへ向かった。

この出来事において、私はコンサバ女子の味方といっていい心情ではあるが、やはりタイプが全く違うためすぐに会話に窮してしまい、早々にうちの部でも元ラッパーのことについて発表があったことを話した。

日曜日の出勤の時に、女先輩と40歳男には元ラッパーのことが話され、私も先週部長に呼び出された話をした。
「だけど合意なんていう結論になるのは納得いかないよね」
と、法的にはそういう結論になってしまうという不条理を嘆き、コンサバ女子への同情を示すつもりで話した。

しかし、意外にもコンサバ女子は逆上して「合意?!(部長は)合意なんて言ったの?!ていうか話してんのかよ!!!」
とキレていた。

私としては少し思ってた反応と違う…という印象だったが、コンサバ女子がキレた理由としては以下が挙げられる。

①合意
弁護士は、ラインのやりとりなどから判断して「拒否が見られない」という言い方をしており合意とは言っていない

②私の部の人に話した
誰にも言わない約束になっているはず。
「私には守秘義務があるから話すなとか言って自分は勝手に喋ってんじゃん!!!」
「私の背中さすりながら、大丈夫、弁護士に立ち会った人には守秘義務があるから、話して大丈夫だよ、とか言っといて味方みたいな顔してたくせに!」とのこと

③イメージ
「合意」なんて言えば、女先輩や40歳には自分が望んで性行為をした貞操観念の低いやつだと思われ、かつ、挙げ句訴えたように見え人間性を完全に疑われる。

ということで、コンサバ女子は泣いたり怒ったりと冷静さを完全に失い、会長に「合意何て言われてやってられない、辞める」という内容の怒りのメールを送り、営業部の部長にも辞めるとラインし、かなり取り乱していた。

私としては、部長が私たちに「話した」ということもNGであり、しかも「合意」が事実とは違う内容であったというのは予想していなかったため、コンサバ女子が完全にキレて会話が成り立たない状況に少し頭を悩ませた。
突発的に会長に辞めるとメールしたことで、明日は私も確実に部長から呼び出されるかなにかあるだろうと思ったので、一応私から聞いたことは内密にするようにと付け加えた。
というのも、先日の部長と女先輩との会議室でのやり取りの中でも、コンサバ女子の相談には乗らないでほしい、と言われていたのだ。
ちなみに、コンサバ女子の相談には無理のない範囲では話を聞くし、無理だと私が判断したら自分で断る、と言い特に部長からの指導は受けない姿勢を示したつもりである。

コンサバ女子がぶちギレてラインをしたために、そのカフェには急遽、営業部の部長と、たまたまオフィスに残っていたコンサバ女子の先輩も合流して、四人でテーブルを囲んだ。

コンサバ女子は「ひどい!ひどい!ひどい!合意なんて!そうじゃないのに、違うのに!!!誰も信用できない!!!!!」と泣きながら話し、ほとんどの時間、怒ったと思うと泣き出し、ひどい!辞める!を繰り返していた。

私は営業部の部長に、私の部で発表があったことを話し、合意が事実でないなら「合意」という言葉を使って説明するのは印象操作になるから部長のやったことは良くないと思う、と伝えた。

営業部の部長は「そうだよね、そうだよね、それはよくないね」と言い、全体的には自分の意見のようなものは言わずコンサバ女子を「辞めるなんて言わないで、ね、」という感じでたしなめていた。

その矢先、私には部長から
「今どこですか?家に帰ってからでいいので電話をもらえますか?」
という、薄気味悪い敬語のラインが入った。

営業部の部長は「いや、とりあえず何も返さないで、電話もしなくていいよ」と言ったものの、私はすでに既読にしていたため時すでに遅しであった。

コンサバ女子の先輩も「とりあえず適当に返して電話はしなくていいんじゃない」と、この場をこれ以上混乱させまいと私に何もしないよう言った。

しかし、私は明日も顔をあわせなければならない相手で、家に帰ってから(はやく寝たいのに)電話をするなど嫌だったし、電話をしないで持ち越して寝つきが悪いのも嫌だし、それにこのラインで電話できません、というのも不自然であるため、店の外に出て電話をすることにした。

会長から部長に連絡がいったのは明らかなので、正直逆上したコンサバ女子には頭をかかえたが、とにかく私は悪いことはしていない、と言い聞かせ電話をかけた。

電話にでると部長は私が今家かどうかを確認し、店の外にいると言うと話を渋ったが、家に帰ってからかけ直すつもりはなかったので、話すよう促した。
今なにしてるの?と言われたので友達とご飯食べてるけど大丈夫です。と答えたが、「Kさんといるんでしょ?」と言われ、嘘も思い付かないのでそうだと答えた。
以下やりとり
部長「あのこと話さないでほしかったんだけと、話すなって言ったよね?」
私「え?私は話していいと思ってたので、普通に話しちゃいました。話すなっていうのは、いつまでも泣かれてたら困るっていう話しじゃないんですか?」
部長「そうじゃないよ!傷つくから話すなっていったじゃん!」
私「いつまでもメソメソされちゃ困る、っていう話は、それは傷つくから言いませんよ、って言ったんです、ていうか、合意だっていうのは弁護士が出した結論だったら、それは当事者であるKさんは既に知ってることですよね?!それを何で話しちゃいけないんですか?!」
部長「いや……とにかく事の重大さをわかってない!!!あの時あんなに熱弁ふるってたじゃん! まあ、これは私のミスだわ、話すなっていうのわかってると思ってたけど、もっとちゃんと言っとくべきだったわ」

私「あー、まあ、私、○○さん(部長)にも守秘義務があるなんて知らなかったんで」

部長「え?私に守秘義務なんてないよ?あ、それに私、合意なんて言ってないしね」

以上がだいたいメインの会話である。
その後、
「この件にはもう関わらないでもらえる?業務命令だわ」
「どうせ"言うな"って言っても喋ってたと思うけど」

「あと、Kさんとは会わないようにして」

というパワハラ発言と私をなじる発言をして電話は終わった。







「それに私 合意なんて言ってないしね」




まさかの耳を疑う発言に、私は言葉も出なかった。


その後カフェに戻り、一通りどんな会話をしたか話し、私には守秘義務はないと言っていたことなどを伝え帰宅した。

コンサバ女子は私に部長からラインがあったことで会長にキレて電話し
「他の人に迷惑がかかるんで余計なことしないでください!!!!!は????ただの男女の痴話喧嘩?!!!ひどい!!!!信じられない!!!!謝罪してください!謝罪するまで話しません!」

というやりとりをしていた。

「男女の痴話喧嘩って、会長はずっとそう思ってたってことだね」
と思わず出てしまった。


疲弊だけして得るものがない時間だった。

取り乱していたコンサバ女子に、一つ質問をしたのだった。
法的に元ラッパーに何か罰を与えられることはないし、会社も元ラッパーを辞めさせることができない中、コンサバ女子としてはどうしてほしいのか?という質問をした。
しかし、きつい言い方にも受け取られ兼ねないかも、と思い「やっぱり、わかってほしい?」と付け加えると

「わたしはただ、わかってほしい」

ということだった。
(私が誘導尋問したと言えなくもないが)

そして後日、私はオフィスでちょっとキレて転職活動を本格的に開始するのであった。(ちなみに今日内定が出た。)

つづく

オフィスゴシップからの転職活動①

コンサバ女子から、元ラッパーからの性行為の強要があった話を聞いた2日後、私は上司(うちの部の女部長50歳くらい)から呼び出されることになる。

 

正直、その日の朝、隣の席(元ラッパーが隣だったが、謹慎←と私たちには言っておらず家庭の事情で1週間お休みだった 後、席替えがあり、私の向かいが元ラッパー、隣が40後半の女先輩となった)の先輩(40後半女性)から「今日時間ある?」と聞かれ「はい」と答えた時点であの話があるんだな、とぴんときてきた。

 

実はその週の日曜日、私がコンサバ女子から話を聞く前であるが元ラッパーの不祥事はだいたい予想がついていたため、休日出勤で早く仕事が片付いた私に、女部長から「帰っていいよ」と早めに促された時点で、うちの部の他のメンバー(女先輩と40歳男社員)には元ラッパーの不祥事を説明するのだろうと思いながら、早く帰った。

 

コンサバ女子が早めに上がった17時頃、女部長がコンサバ女子が帰ったことに気づき女先輩と目を合わせ、私と女先輩とを会議室に連れて行った。

やはり内容が内容だけに話しづらいのか、まずは「じゃ、○○くん(40歳男)に結婚祝い何にするか話し合いまーす」という茶番から入った。

 

ふうん。と出方を伺いつつとりあえずその話題に乗り雑談したが、それも一段落すると女部長が言った。

「最近の社内についてどこまで知ってるの?」

正直「は??」である。何て一方的でなぜか偉そうなんだ、しかしそんな態度はなるべく抑え「最近って、2月に入ってからですか?それとも1月のことですか?」と逆に質問してみた。だってこんな尋問みたいな聞き方をされる筋合いがない。

 

「まあ、1月でも2月でも」と女部長はめんどくさそう。

「2月はNさん(元ラッパー)やKさん(コンサバ女子)をさ巻き込んだミーティングが多くあって、変なメンツだし様子がおかしいなとは思ってました。1月もKさんが泣きながらOさん(この女部長)に相談してるし、最近はNさんが急に午後半休でそこから1週間お休みっていうのも変だったし、だいたいあの日、午後半休はあらかじめ決まってはいなかったはずだし、最近様子が変だなと思ってました。」

「うん、それは事実の羅列だよね、知ってることを教えてほしいの」

この言い方も腹が立ったが、基本的に人にトゲのある物言いをすることが大得意な人なのでとりあえず怒りを隠しながら続けた。

「以前Kさんから、Nさんにセクハラっぽいラインをもらったりしていると聞いていたので、Kさんに、もしかしてNさんのこと上の人たちに言ったの?と私から聞きました。」

私から聞いた、という点に少し驚いていたようだった。

「で、なんて言ってた?」

「実はそれよりもひどいことが起きたと言ってました。」

「ひどい事って?」

こいつ、質問すればホイホイ話すと思いやがって、と思い試しにブレーキをかけた。

「それは私の口からは話したくありません」

「どうして?」

「この質問の意図が見えないからです」

と言うと私は全部知っているから話して大丈夫だと言われ、私の質問の答えにはなってないが、とりあえずは

「社内に残って仕事をしていたら一度帰ったNさんが戻ってきて強姦された(という言い方はコンサバ女子は使っていないが)と聞きました」と話した。

「そう、そう聞いてると思うんだけど、それは合意なのね」

と女部長は説明を続けた。

部長曰く、自身も最初はコンサバ女子に同情し泣きながら話を聞いたし、元ラッパーのことも本当に怒ったが、私が聞いている話はコンサバ女子側の話であって事実はちょっと違う、とこのことだった。

「びっくりした?でもね、これは私が決めたことじゃなくて、私的感情の入らない弁護士さんが判断したことなの。」だそうだ。

「こういう話だと思った?」とものたまっていた。

 

合意?と聞いて疑問は残ったものの、私が想像するような純然たるレイプで無ければそれは良かったと思ったが、一般的にデートレイプは犯罪を立証しづらいと聞くので、ラインなどの物的証拠を並べるとそうなってしまうんだな、と私は受け取った。

部長の言うことを要約すると、まず弁護士が合意と判断(ラインなど見てそういう結論)し示談となった。

元ラッパーは自宅謹慎の他きちんと罰も受けており、犯罪性がない以上解雇はできないため会社に残るし、それはコンサバ女子も了承しているとのこと。

最後に「だからね、Nくんに処罰感情を持たないでほしいの」と言い、ここまで聞いてどう判断する?会社に対して不信感はない?と言われたため、それは今は分からない、今後時間がたってからNさんに対して嫌になるかもしれないし、それはその時になってからでないと分からない、と答えた。

 

話はここからやや転換した。

この問題は終わっているのにいつまでもコンサバ女子にめそめそされては困る。という内容。

それと彼女には守秘義務があり、示談の際に口外しないという約束で弁護士の前で書面に判子もついているのに、人に漏らすとは問題だ、という内容に移り変わっていた。

 

たしかにコンサバ女子は仕事中に泣いたり早退することもあり、仕事が手につかない印象もあったし、私にこの話を打ち明けてからはよく私の席に来て、思い出したように元ラッパーへの怒りや示談と言う対応への納得のいかなさを語っていた。

が、私としてはコンサバ女子には同情するし、そうして感情が抑えられなくなって先に書いたような行動をするのも仕方ないのではないか、と思っていた。

 

それと、上の人達、つまり会長(70代のおじいちゃん)や副社長(50半ばの女)はこの出来事を性犯罪という風には受け止めず、やんちゃな男女のお遊びくらいにしか受け取っていないだろうと思うし、そういう軽い受け止め方であればコンサバ女子に対するセカンドレイプ的な発言もきっとあっただろうと想像できる。

 

合意と言ったって、会社に訴え出るほどなのだから、なにか不本意なことがあったことは確かだろうし、どのみち元ラッパーは妻子もあるのに会社の後輩に手を出してモラルを欠いていることは明らかで、お互いに満足のいくWin Winな性交渉ではなかった証拠に、こうして周囲に訴え出られるような恨みを買うようなことをしたのは事実であろう。という感じで、あまりコンサバ女子への同情心が薄れるということもなかった。

 

しかし40後半の女先輩などは「ほら、○○さん(私)もさ、ああやって席に来られていろいろ相談されるのも大変じゃない?」とか「女って怖いね~」という反応で、合意と言う話に異論も疑問もないようだった。

女部長は、これからどうしようか~?とコンサバ女子の対応に苦慮しており、加えて「私は弁護士からこの判断を聞いて完全に彼女の味方になることを辞めてしまった」というようなことを言い、さらにわざわざ言わなくてもいいのに「それに私はもともと彼女のことが好きではないので」と言っていた。

 しかし、最初に同情していたものの、弁護士という存在の一言でそんなにもコロっと考え方が変わってしまうのはある意味恐ろしい。

肩書が「スーパー偉い大統領総理大臣」みたいな人が出てきて、ホワイトボードを指さし「これは黒だ!」と叫んだら「そうだ黒だ!」とコールアンドレスポンスしてしまう人なのだろうか?

 

今後のコンサバ女子の扱いどうしようか?という話題から、(部長の指示で)もう一人オフィスに残っていたコンサバ女子の先輩も途中から会議室に加わり、コンサバ女子対応の相談会へと移行した。

上司はコンサバ女子の先輩にも「いつもああやって横で泣かれたり相談されたら大変でしょう?」という論調だった。

このあたりで、「で、この話は彼女には言わないでほしいんだけど、だって傷つくでしょう?」と私に対して口止めを言い渡した。

私はコンサバ女子がいつまでも泣かれちゃあ迷惑という話の口止めだと認識し、「それは傷つくので言いませんよ」と答えた。

しかし、あまりにもコンサバ女子迷惑、という論調に耐えられず、また、元ラッパーの罪というものが置いてきぼりになっているのもフェアじゃないと思い、なんとか元ラッパーがそもそもの原因であることを思い起こさせたいと思い、あれこれと説得を試みた。

 説得の方法は以下の通り、まずは合意とう認識に疑問を持ってもらうために奮闘した。

「だけど、合意って言っても弁護士さんはラインで判断してるんですよね?そのラインだと冗談だと思って適当に相槌をうつことだってあるし、それって合意になりますか?」

「この出来事は弁護士から見た法的な事実と、Kさんから見た事実と、Nさんから見た事実と3つの事実があって、それは私たちにはわからないですよね?だとしたら合意だとも断定できなくないですか?」

これらは全く効果をなさなかったため、元ラッパーの人間性を問う内容にシフト。

「まあ、Nさんも自分の魅力を試したかったんでしょうね?俺ってまだイケるのかな?若い女抱けるのかな?っていう動機じゃないですか?」

「それに、Nさんはまたやると思いますけど。今回のことで懲りたと言っても、それは会社の女の子に手を出すとごたごたが起こるからマズイ、って思うだけでこれからは外でセフレを作るってだけのことだと思いますけどね」

これについては女部長も「・・・そうだね、そういう人はそうだっていうもんね・・・」と少しは届いたようである。

 

それからおよそ一週間後、コンサバ女子とはもともと約束をしていたので、退社後会社近くのカフェで待ち合わせた。

事件はそのあと起きた。

つづく

続 オフィスゴシップ

今日はランチの時にオフィスに全然人がいなくて私と同じ部の40歳男性、コンサバ女子、経理の女性のみだった。
ちょうどコンサバ女子が私の席に来たとき、40歳男性がトイレに行っていたのでコンサバ女子に元ラッパーのことを副社長らに話したのかと聞いた。

もちろん私はその後のことは知らないので、以前聞いたオフィスで押し倒されて逃げたという話と、その後もラインで「抱きてー!」というセクハラメッセージを送ってきたことを指して聞いたのだが、実は年末にコンサバ女子はついに未遂ではなく本当に暴行されたことを知った。

ちなみに、加害者である元ラッパーは1週間の自宅謹慎(表向きは家庭の事情ということになっていた)があけて昨日から戻ってきていたので、犯罪行為をしておいてたかだか1週間の謹慎で元気に出社しているのだと思うと納得がいかなくてコンサバ女子の話を聞きながら泣いてしまった。

弁護士も交えて話し合いが行われたものの、「嫌がっている」という決定的な証拠がないことから犯罪として立証できないと言われたそうなのだ。

そんなわけで今私はうっすらと転職を考えている。

1週間の自宅謹慎が妥当という判断。
大方ご老人の副社長らは「いきすぎた男女のお遊び」くらいにしか考えていないだろうと思っていた。コンサバ女子も社長に説明するときに副社長(女)が「お互い(ごたごたした問題を起こしてしまったのとを)謝って忘れましょう!」などとのたまっていたらしい。

ちなみに、元ラッパーが部長に話があると持ち出していたときも、保身の弁論大会でも披露するのだろうと思っていたが、コンサバ女子から聞くところによると部長に対して「ホントに嫌がってたんですか?」など後から言っていたらしい。

ニュース記事とかで見る泣き寝入りの典型パターンが繰り広げられていたようで悔しくて泣いた。

私が聞いた話はここまでだが、私の個人的な意見としては、元ラッパーは初犯じゃないと思うしまたやると思う。

そしてコンサバ女子がずっと体調も悪そうだったが、自律神経失調症になっているらしい。

絵にかいたような顛末で、生きていくのに絶望的な世の中だと思った。

コンサバ女子は私に説明するときにも「でも私も落ち度があったから…」とかいう言葉を使っていてそれを聞くたびに悔しい気持ちでいっぱいだった。
傷ついている人に自分も悪いところがあるなんて言わせる社会が絶対おかしい、そういう言葉を使わせる環境なのが間違ってる。

確か詩織さんの事件の時に耳にした言葉だが「ケガをして傷が見えていて血が出ていないと傷ついていると認めてもらえない」という内容のことを誰かが言っていた気がする。

そんなわけで、今日は午後、社内で事情を知っている人が元ラッパーと談笑している姿などを見ていると不信感でいっぱいになった。