日記

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二人の告白

告白1

わざわざ年齢の擦り合わせなどしてしまってもしかしたら退屈な人と思われたかもしれない。

そんなことをいちいち確認することになんの意味があるのだろうか。
社会的なり常識的なりつまりは体裁みたいなものにとらわれた人のすることのように思えてきた。

政治的関心を表に出すことを避けようとしない、人の目に触れるところで自分なりの意見を発することができる人に頭が下がる。


生活圏、生息圏の違う人の使う言葉は新鮮味がある。
その人が当然のように(いつも使っているのだろう)表現の仕方や言い回し、その人にとって使いやすい熟語や形容詞、そういうものを垣間見るのは楽しい。
その人の生活圏では日常的に使っているであろう、しかしわたしはまだ口にしたことのない言葉に知性のきらめきを感じる。

彼女が最近気になる人、気になる音楽として挙げたものを、私は知っていたが、それは別の人がSNSに載せていたからである。

彼女のもともと好きなアーティストを知っていたのは、別の人が好きなアーティストとして挙げていたからであった。


本の話になって、小説はあまり読まないらしい彼女だか、この作家は好んで読むのだろう。
町田康は読みますか?」と言った。
私は一冊だけ読んだことがあると話し、タイトルを告げた。
「告白」がおすすめだそうだ。

あの厚いやつ。私は本を読むのが遅い。
と言ったがあと2冊読み終えたらその次は読むことにしよう。

告白2
その1ヶ月ほど前
私は、というより多くの人は緊張しているのに笑顔を作ることは苦手だろう。
最後まで緊張が解れることがなかったようにも思う。気を使いすぎてしまって居心地が悪かったかもしれない。
気軽さの無い会話は面白味にかける。
退屈な人だと思われたかもしれない。

今思えば彼女と話したようなことを話せればよかった。今やっていることに関する自己紹介的な話、始めたきっかけを当時の少しの葛藤なんかを織り混ぜて話せば、打ち明け話のような親密さや、共有を味わえる。
それは会話の醍醐味だと思うけれど、それができなかった。
もっと素直に興味を示しても嫌がられなかっただろうに、形式的な質問や回答ばかりしてしまった。

それでもおすすめの本というのは、浅い関係でも話題にしやすいテーマの一つである。
慎重な口調で
町田康とか読みますか?」
と聞かれた。
私は一冊だけ読んだことがあることと、その一冊のタイトルを告げた。
「告白」がおすすめとのことだった。