日記

日記です

アナザーカントリーをみた

裏切りのサーカスを観るならアナザー・カントリーもぜひ観てほしい。

キングスマンをきっかけに、スパイとパブリックスクールに関心をもったためアナザーカントリーも観たのだけどよかった。

アナザーカントリーはスパイ映画ではないが、二重スパイを行いロシアに亡命したイギリス人にインタビューする冒頭にはじまり、彼が学生時代を回想する形式である。

パブリックスクール、主にイートン校(イートン・カレッジ)を調べていて、これはちょうど最近テレビで「ハリー・ポッターみたいな学校」と紹介されていた場所ではないかと思い出した。
学校の雰囲気も去ることながら、パブリックスクールについて調べたあとハリーポッターを観ると、学校の制度や寮の暮らしなど、魔法の世界の話だから、と思っていた部分が、そうじゃなくて実際のパブリックスクールに沿っていたんだと分かる。

イートン校を調べて印象的だったことは複数あるが、例えば成績優秀者だけが集められて10人くらいでみんなと違う食堂でランチを食べられるとか、特待生みたいな人はマントをつけているとか(そもそも制服が燕尾服)、寮長や監督生がいるがそれは優秀な人が就き、制服のボタンが金ボタンとか、ジャケットの色が違うとか、ベストを好きなデザインに作っていいとか、成績やスポーツの優秀者やリーダー的な役に就く人は優遇される制度であること、そうした監督生は他の生徒に罰を与えることができるなど、基本的には上に行くほどいい思いが出きるし、そのことをオープンにしているスタイルに驚いた。
政治家など多く排出している学校だけあって、向上心や競争心の教育に余念がない印象を受けた。

ちなみにアナザーカントリーにも鞭をうつシーンが出てくるし、ハリーポッターでも悪い行いをした生徒がひたすら念書をかかされるシーンなどがあった。

こうしてパブリックスクールについて調べると、関係ないかもしれないが、ハリーポッターについての淡い疑問が解けた。

単にストーリーの進行上必要なのかもしれないが、至る場面でハリーが優遇されていることが疑問だった。校長から可愛がられているし、いろいろ過去があるいわくつきでスゴイ魔法使いだからしょうがないけど、難題に立ち向かうチャンスが多く与えられているし、ルール違反に見えることでも、生徒にその資質があると見なされれば多少のルール違反もOKとされている、ともかく軽く贔屓されているな、と思っていたのだ。
しかしパブリックスクールの仕組みをみれば、それは彼らにしてみればルール違反でも贔屓でもないのだとわかった。

アナザーカントリーは名門男子校であるイートン校が舞台である。
みんな寮に住み、父親がここの卒業生である人が多く、裕福で家柄もよく頭もよい生徒が入る学校で、ほとんどの人が監督生などなんらかの役員になりたがっており、主人公も例に漏れず来年は監督生に指名されるだろうと期待している。(エリートを突き進む上で就職に影響が出るので)
そんな学校でも、その仕組みに迎合しない人やルール違反をする生徒はおり、それが主人公とそのルームメイトである。
主人公は夜に寮を抜け出したりする不良で、おおっぴらに行動もしていないが同性愛者であることも隠さない。映画の舞台は1,930年代で同性愛は犯罪である。
ルームメイトは共産主義に傾倒しており、目立って反抗したりはしないが監督生などには興味がなく、学校の制度にもそうした生徒にも冷ややかな態度を示す。ちなみにコリン・ファースがこの役をやっている。

冒頭は、ある生徒が男性同士の行為中の現場を先生に見られ自殺するところから始まる。


この映画について調べると、やはりBL好きの人に人気らしかった。
直接的なシーンはほとんどないが、美男子同士がデートしたりお互いにドキドキしながら逢瀬を重ねるシーンがあり、BL好きでなくともほほえましい。
というのも、同性愛が犯罪という時代背景を抜きにしても、将来エリートを望む生徒であれば、マイナスイメージのスキャンダルなどないほうがいいし、今も昔もマイノリティは理解されないのだ。
そんなエリートであり野心家である彼らが10代らしく恋のときめきに揺れる姿は応援したくなった。その先にハッピーエンドはないと分かっているのでより切ない。

この映画を観ると、BL好きの人がなぜBLに惹かれるのかなんとなくわかる気がする。

映画のラストで亡命し老齢になった主人公が「クリケットが懐かしい」と言い幕を閉じるのがすごくいい。
クリケットはイギリスのスポーツで、ロシアにはないらしい。
映画の中では、主人公が一目惚れした(まだ付き合う前)別の寮の男子生徒に、クリケットの試合であからさまな優遇をした審判をしたり、共産主義のルームメイトと、クリケットを学校やエリート社会になぞらえ揶揄するシーンがある。

クリケットは馬鹿馬鹿しいかもしれないが、輝かしい青春の思い出であり、今はもうできない。
それを思うと余韻が残るラストでとてもよかった。




ちなみに、イートンカレッジを検索すると紗栄子の息子がイートン入学?みたいな記事がたくさん出てくるので楽しい。