日記

日記です

T2を観た

映画評論家の町山さんが確かT2を観た感想を「人は変わらない」と言っていた気がするけどまさにそう思う映画だった。

トレインスポッティングは高校時代、美術の授業をきっかけに仲良くなった映画好きの子たちに勧められて観た。
映画を観る前からレンタル店でもジャケはいつも表にしておいてある映画だったし、ヴィレヴァンなんかでもポスターやポストカードでよくみかける、映画よりも先にヴィジュアルでは知っていた。
もちろん観てみたらスタイリッシュでかっこいいので好きになった。

この映画が公開される1996年(たしか)までは、スコットランドが舞台の映画というものは世に出回っていなかったらしい。
そういえばイギリス映画となっているが、舞台はスコットランドなのか、というのは最近調べてから改めて認識した。

トレインスポッティングでは、田舎町のグズグズな若者がまだまだ未来が長すぎる故に行き詰まりドラッグ漬けになっていた。映画はドラッグを絶とうとしてまたしても数時間で挫折するところから始まった。何度も仕事をはじめて真っ当になろうとしては失敗してドラッグに逆戻りする。
ラストは大量のヤク密売で得た金を主人公が持ち逃げして終わる。
T2はそれから20年ほどたった設定である。
主人公レントンはイギリスでサラリーマンをして結婚もしていて、仲のよかった友達の一人サイモン(元シック・ボーイ)は地元で売春の斡旋を生業として、もう一人スパッドは薬物依存の更生セミナーに通い、つるんでた中にいた切れやすい問題野郎ベグビーは刑務所から脱走したところ。
みんなまだ地元のスコットランドにいるところへレントンが母親の死をきっかけに帰省する。
ところがそこでまたドラッグも再開してまともな仕事もドロップアウトしてしまう。

人は変わらない。と早くも思った。
レントンは実は夫婦円満ではなく、最初子供がいると言ったがそれは嘘で離婚が決まり家を追い出された。
そして最近突然の入院と手術で年齢的な体のガタがきていることを実感し、学歴のないサラリーマンなので最近合併した会社において自分がこの先居場所がなくなることも予感していた。
中年になり自分の老い先が見えた頃、この先にこれから始まる"何か"は無いのだと透けて見えた時、
再び人生がどん詰まりになる。すると結局かつての仲間とつるんでドラッグを楽しむ生活に戻る。

状況がまた悪くなれば人はまたダメだった時の自分に戻る。
刑務所に入っていたベグビーも更生の気配はなく、脱獄して盗みをして、最悪なことに大学に通っているまともな息子に加担させる。

いつでもみんな簡単にダメになれる。

人は変わらない。

しかし、人は変わらないにも唯一の救い(あるいは学習能力がない)があった。人がいいスパッドは最後まで友達思いのいいやつで、その姿を見ると、そうだった、そういえばこいつだけは誰のことも傷つけたり裏切ったりしたことなかった!と、中年になってグズグズ感が痛々しさへかわりつつある中だったので少しホッとした。

たいてい2というものは期待できないので、一応借りとくか、という気持ちで観ていたが感動したしよかった。
それに前作で出てきた懐かしい顔にも再会できるので、おお!あいつがこうなったか!という親戚のおっさんの気分になった。
なぜか親戚のおばさんではなくおっさんの気分。

それにしても、高校以来もう地元に帰るつもりのない私としては、こうして地元に若い頃の元カノとか、幼馴染のアイツとかに、犬も歩けばぶち当たるというのがどういう感覚かわからない。

帰省したときなど、時々母が「○○ちゃん二人目生まれたって」と情報提供をすることがあるが(あるいはプレッシャー)私はいつも「へぇ」以外の感想がなかった。
だって私の向いている方向、興味の先、と、○○ちゃんのいる場所はまるで明後日の方向、または別次元であり、かつ私たちは私たちの親ほど仲良くないのだ。
例えば私が道を歩いていて、まったくの同タイミングで目が合えば挨拶くらいはするだろうが、すれ違い終わった後にお互い気づいても、わざわざ振り返って呼び止めたりはしないだろう。

地元の友達とはほとんど縁が切れている私には、"あの頃…"と子供時代のノスタルジーを共有する場面には感動したものの共感はなかった。

このトレインスポッティングというタイトルの由来は諸説あるらしい。2の中でもトレインスポッティングという言葉に「鉄道ファンか?」という訳がつけられていた。
しかしネットで色々調べていたところ、一番しっくり来たのが以下の説。
廃線になった操車場にはならず者みたいなのが集まってヤクをやっていたため、ヤク中のたまり場となっていた。そこからヤクをやることを、トレインスポッティングする、ヤク中をトレインスポッターという呼び方になった(たしか) 。つまり、トレインスポッティングとはドラッグ中毒の隠語である。

という内容の誰かのブログを見つけたことがある。
さらにそれを、記憶だけを頼りに書き起こしたので信憑性は100%とはいえない。