日記

日記です

私のキモチ

作りかけのケーキがあって、だんだん生クリームとか塗ってる間に汚くなってきて、そもそもスポンジ生焼けだったしクリームも弱いし味も微妙で、これ完成させるよりここでドサッとゴミ箱に捨てた方が気持ちいいだろうな…
というのが今の私の人生に対する気持ちです。

自粛中QOL

自粛で楽しみが制限されてみんなの下がったQOLの位置に私の常時のQOLがあるため、みんなの調子が悪くなって相対的に私の調子が上がる、という目の錯覚が起きている。

(もちろん、生活がかかっててヤバいという人は除く。自分がコロナと生活経済が直結していなくて幸いだったと思う。10万申請したら、微々たる額だけどライブハウスとミニシアターと喫茶店に寄付したい。)

最近地味につらいのは、正直自粛がツラくないということ。

この前、雑誌で漫画を連載しているらしいイラストレーターさん、何ならゆるおしゃれイラストレータ美大卒さんが、インスタのストーリーに

「今ライブハウスに行けなかったり、みんなに会えなかったり、つらいなー、ただ飲んだりしゃべったりする時間がこんなに大事だったなんて」

みたいなことを言っており、もちろん言わんとすることはわかるのだが、この人の生活には、当たり前にデフォルト設定で「みんなと飲む」とか「ライブハウスでみんなに会う」だとかがあったんだなーと思った。

私、正直ライブハウスに行っても「みんな」って言えるほどの仲間のコミュニティに属していなくて、全然「そっち側」にいてないことを実感する。

友達と飲むのも、そもそも飲酒する友達が少ないのと、そうした友達と会うこと自体数か月に1回とかなので、常時「みんな」と飲んでだべって…ということをしていない。

お酒飲まない人にとっては、喫茶店でコーヒー飲んでおしゃべりとかが当てはまるんだと思うけど、なんとなく、この人が愛しがってる時間って、私にもともとなかったような気がした。

 

どっぷり創作の渦中にいて、表現者としての当事者意識がある人ほど、この自粛期間は、単にパフォーマンスができない、ということ以上にメンタルに来るものがあるらしい。

それは疫病そのものの恐怖だったり、政府の対応だったり、経済のことだったり、いろいろな理由からくるものらしい。

そこでも私は、正直自粛で会社の存在自体が希薄になって、在宅勤務というものが生活に組み込まれ(ただし毎日在宅じゃないのがクソ!)、精神的にも会社の存在が二の次になって、今モラトリアムみないな時間になったことがとてもうれしい。

ライブに行くとかの楽しみが減ったけど、それ以上に会社に行く日数が減る、ということのほうがものすごくうれしい。

だから、緊急事態宣言解除とか心底やめてほしいと思ってる。

そういえば、桃山商事というトークイベントなどをするユニットに属する女性が、婚活中だがコロナで結局男性と会えない状況について、焦るどころかみんながみんな停滞しているならいいか、と思えて逆に焦らなくなったと言っていた。

私もそう。

みんなの日常から旅行とかアクティブなレジャーが消えておうち時間なんかやってる今、正直もともとも私の生活に旅行とかなかったし、みんながみんな足並みそろえて停滞して、心が落ち着く。

同時に、これまでの私の焦りや不服感なんてものは、所詮相対的なものだったのだと気づく。

 

で、私にとっては、やっぱライブハウスもレジャーの一つであって、楽しみの一つであって、全然当事者じゃなかったんだな、と思っている。

もちろん、パフォーマンスする側ではないので当たり前なのだが、例のイラストレーターさんの「精神的にキてる」って、単に仕事が減ったとか、経済的な先行きが見えないことだけを指してはいないだろう。

どちらかというと、当事者として「そっち側」に意識が入ってるからこそ、ライブができないとか人が集まれないとか、そういうこれまでの表現の場がぐらついている「文化の危機感」に胸を痛めているのではないだろうか。

 

意識の問題なので、別に私だってそうしようと思えば、表現者然として今の状況を憂うことだってできるんだけど、今まさに自粛生活っていいな…と思っているので、私は精神的にも完全に会社員なのだと実感している。

 

コロナ自粛がツラくないというツラさは2つある。

この、精神的にも会社員であるというつらさと、自粛で無問題というくらいに、もともと私の生活って低かったな…ということ。

低いというのは生活水準の話ではなく、私の普通とみんなの普通って、もともと質が違ったというか、みんなは100点満点中20点くらいの生活になったのかもしれないが、私は10点満点中の10点の生活になっただけというか。

 

もともと私の生活って、みんなの自粛生活とおなじだったんだよ…という気付きである。

最高のドレスだとおもってた服がZARAのワンピースで、みんなにとってはそれは手軽でブランド風モードファッションの代替品的なお得なファストファッションだった…というか。

 

この自粛ツラくない現象の根幹には、もともと私がみんなと同じベクトルで生きていないという点もある気がした。

人と会えない、話せない、つらい、というのは、会話などのコミュニケーションが発話や発声以上の意味を持っているからだろう。

いや、人によっては、会社の飲み会でみるようなにぎやかな「ノリ」が生活からなくなったことで「さみしい」と認識する人もいるのかもしれないけど、今の話にそういう人は除く。

 

たとえば、私は常に人と対峙したとき「ある」「なし」でいえば「なし」の側である。

彼氏や配偶者はなし、仕事への情熱的なものはなし、なしの人とありの人では、どうしたって会話をしているときの背景やその先に見据えた未来みたいなものは違っている。

それがわかっていると、距離感はどうしたって生まれるし、会話していても空虚な気持ちになる。(多分相手も)

具体的にパートナーがいない人にとって、そして地続きにそんな未来があると思えない人にとっては、他人の恋愛の話を当事者意識を持って聞くことは難しい気もするし、それに、「いる人」「いない人」では話してもらえる内容も違うと思う。

仕事においても、転職一つとったって、いつ辞めてもいいや、って仕事で転職を考える人と、仕事内容は好きなんだけど辞めたいかもしれない、って人と会話は深いところでかみ合わない。

そんな感じで、私のしてきたコミュニケーションの質って…?

ということを問い直したとき、やはり当然自粛がツラくないというか、会えない話せないという今の状況と、会える話せるというかつての状況と、あまり大差ないのは当然かもしれない。

 

これが自粛がツラくないことの真髄かもしれない。

雑にまとめすぎだけど、もともと私の生活の価値が低く、コミュニケーションの質も低かった。(もちろんこれは、相手のせいじゃなく私のせいで)

そんなものはないのかもしれないが、「本当の生活」とか「本当のコミュニケーション」ってどんなものだろう。

失われた時間を愛しがるほどの「本物の時間」ってどんなものだろう。とか思ってしまう。

もちろん、笑いの沸点が低い、みたいな感じで感動の沸点が低い(ってあまりにも何様?な言い方だけど)人はめっちゃ愛しがりそうだけど…。いや、だとしてもやっぱりそんなに生活を溺愛できたのすごいよ。本気で生きてるって感じ。皮肉じゃなく。

 

今、YouTubeで久保能町リモートラジオが聞けるんだけど、前の放送で久保さんが、だれかの曲で「深夜の他愛もない君との会話」みたいな歌詞を聞いて泣けると言っていた。

それは、まずもって今後の自分の人生にそんなことはもう起こらないんだろうな、という悲しみと、今世界では、たったこれだけのことがみんなできないでいるんだな、という切ない気持ちで泣けるらしい。

めちゃくちゃわかると思った。

自分の地続きにそんな日なさそうだなもう、残念だなーというさみしい気持ちがあって、そこで幸せそうな他人にたいして苛立ちとかも向けられそうなもんなんだけど、やっぱこんな時期だから、あーいまみんなついこの前までできてた当たり前のことができなくなって、あれってあんな大切だったんだ、って実感してるんだ、それってせつねーという気持ちがある。

とはいえ、私の場合はエンタメ消費的なエモい!泣ける!という側面も強いけど。

 

コロナ明けたら、またみんな外にレジャーに行って誰かと飲んでだべって、会話というコミュニケーションを通じて他人と理解しあうということを享受するんだろうな、そして私は変わらず一人で買い物行って、飯食って、深いところでちょっとずれた会話して、変わらない生活を送るんだろうな、ということを考えている。

郵〇局の窓口が一番キツかった

会社行きたくなーい、とは言いつつも、実はみんな労働の中に愛情を注げる部分や誠実さでもってやり遂げたいと思える箇所があって、それなりに達成感や満足感を得ている、実は、実は本当はみんなそうで、それがないのは私だけだった、と知らされるときは5本の指に入るキツさ。

 

4社目で働いて3ヵ月、すでに辞めたくなっているものの、思い返せば新卒時代、よく耐え抜いた!と忍耐力同時に自分の意気地のなさ、ネガティブ思考からくる無意味な忍耐力にいろんな意味で脱帽する。

 

もともと郵便局に入社したのはそこしか受からなかったからだった。

ちょっとだけ売り手市場になりかけた時期で、周囲は2月の時点で内定をもらってる人、2個はもらう人が多い中、6月くらいにやっと決まった唯一の就職先だった。

とりあえず常に漠然とした不安がある上、就職が決まらないという不安が上乗せされていたら、仕事がなんだろうが内定に飛びつくだろう。

 

入社後は1か月半の研修がある、1か月半も寮のようなところで研修をするわけだが、郵便局員らは「こんな手厚く研修してくれる会社なんてなかなかないんですよ、みなさんよかったですねえ」と育てられる。

研修中からよからぬ噂を聞く、それが仕事開始後もちょっとしたトラブルを生む「組合」というものに関してである。

組合とは労働組合を指し、一般的には団体交渉権?を使って雇用主に掛け合ってくれる組織である。まさに今の低賃金搾取労働社会だったらきちんと機能してほしい重要な組織であるが、当時それは入会すると給与の3%、私なら5000円ほどがとられる組織だった。(プログラマをやっていたの友人の会社の組合費は500円だった)

ほかにも郵便局では財形とかなんやかんや、給与から引き落として積立というものがあり、何が何だかわかっていなかったが、ともかくこの組合というのは任意加入で入れば5000円とられる、だから薄給だし入りたくない、と思っていた。

しかも、研修所では研修中に所属局に呼び出され有無を言わさず入会させられた人もいたり、入会しないと村八分らしいなどよからぬ噂にあふれていた。

しかも、組合の説明会があったのだが、なんだか組合の「幹部」と呼ばれる人たちは組合の仕事しかしていない?だけど給与は出ている?組合費から??と、その辺はよくわからないがホワイトなイメージが全くなかった。

 

研修を終えると、取りあえず歓迎会やら暑気払いやらで飲み会がある。

組合というのも組合の飲み会があり、そこに新人を呼んで勧誘すると聞いていたので、私はとにかくすべての飲み会に気を張っていた。

勧誘されてはならない、勧誘された場合切り抜けなければならない…。

当時、仕事のことで悩むならまだしも、この「組合」という存在にこんなにも気を張らないといけないのかと悲しくなったし悩みすぎて疲れていた。

今なら任意加入っすか、ま、事情は人それぞれだし私は余裕ないんでパスっす!といえるが、当時はそういう態度は社会人として悪なのではないか?ダメな社会人のレッテルを貼られるのではないか?仕事を教えてもらえないのではないか?など不安がいっぱいだった。

その後、一時的に配属された局の3年ほど先輩である女性社員に連れられて組合の飲み会に参加するが、適当に理由をつけて1時間ほどで帰り、ダイレクトな勧誘は免れたのだった。

 

郵便局の嫌さ、は一言では言えない。それはすべての接客業の嫌さであり、お金を扱う仕事の嫌さであり、クレーム対応など上げたらきりがない。

 

重要な嫌だった出来事を書いていく、すべて入社1年目の出来事である。

①領収書と控え取り違え事件

反則金はとても重要なもので、お客様に渡す領収書と、局控え、さらに国庫に送る用紙を間違えて渡すと「事故」になる。

とはいえ、これは3枚複写の紙で内容は同じに見えるが、それでもタイトルが控えなのか、領収なのか、ともかくそれが重要なのだ。

重要なのでダブルチェックをしてからお客様にお返しするが、お客様がすべて私のように控えめで強く言えずおとなしく待ってくれる人ではない。

いかにもガラの悪そうなおじさんに当たり、「おかけになってお待ちください(aka気が散るから目の前に立つな)」を無視しカウンターに乗り出すような形で待っている。

ダブルチェックをしてもらおうと先輩の接客待ちをしていると、「早くしてよ」とせかされ、ビビッて仕方なく領収書を渡した。

しかしこれが大間違いで、もちろん手順通りにやっていないのが悪いんだけど、私は誤って「控え」を渡してしまったのだった。

先輩が気付き、慌てて追いかけたもののもう姿はない。

局内は血の気が引いたように空気が張り詰めており、私は突如として腫物となった。

しかも運の悪いことに、そのおじさんが書いた電話番号は「現在使われておりません」だった。

しかしラッキーなことに住所の記載があったので、一縷の望みをかけてそこへ行く。その時は新人なので男性の先輩社員がついてきてくれた、インターホンを押すが無言。

「うーん、いないみたいんだねえ」と色白のほんわかした男性社員が言う。

私は自分がミスしたクセに言えることではないが、「いや!もっと粘れよ!!!」と思った。

局に戻るとまた腫物になる。

私は私がいたたまれなくなって、当時OJTを担当していた上司、山田さん(仮名)に申し出てもう一回一人で行ってくると志願した。えらい…。

ちなみに、山田さんは「うーん、じゃ、そうしてくれる?」とだけ言った。

そして一人でガラの悪いおっさんの自宅へ向かう。

草ぼうぼうのアパートの1階、インターホンを押しても無言、でも絶対にいるという気配がある、しかしあんなおじさんが素直に出てくるわけがない、玄関で待つと足が蚊に刺される。いつも思うのだが、こういう状況でレイプされる女性とかいそう。

ブチ切れられるのを覚悟で家の裏に回ってみる、と、なんと窓から外に足を出してさっきのおっさんがいたのだ。

目が合うと私がインターホンの主であることがわかるらしく、迷惑そうに「なんなの?」と聞く。訳を話して領収書と控えを交換してもらった。

ちなみに、運が悪ければ捨てていたり、客が面白がってゴネて返してくれないということもあるらしい。一応事なきを得た。

 

②「島」か「嶋」事件

4時で窓口が終わるが、4時まで粘られると全く片付かない。忙しい局だったのでいつも40分は残業していたし、週1で1時間くらいは残業していた。暇そうなイメージからは程遠い。ついでに言えば、言っとくけど、郵便局は営業さんや事務さんみたいに仕事の中に自分の時間がない。

つまり、不要不急にお茶を飲んだり、お菓子つまんだり、スマホいじったり、午前は気分が乗らないから雑務片付けて、午後から知的労働にとりかかるとか自分のペースで働く、なんてない。接客中は立ちっぱなしだし、座って作業していると客がせっつく。

忙しい局は8時間いっぱいフル稼働のハイペースである。

そのため、4時以降の締めもハイペースで電卓をたたき、5分も無駄にしないし、チェックから書類発送まで脳を覚醒させてやる。誰か一人でも欠けると残業はパねえことになるし、1番嫌なのは1日暇だったのに4時直前に客が来て、そのおかげで結局残業することになるとき。

で、それは来た。

おじさん2人が窓口に来て、私は新人なのでたるくても気づかないふりはできない。感じよく迎えいれ、一応4時なので終わりです、とは言うが相手が引き下がらなければ受け入れることが多い。最悪だ。

そこでこの客、A嶋さんという70くらいのおじさんは、50くらいのおじさんと窓口にきてそこそこ高額な金を下ろすことになった。

親子でもない、50くらいのおじさんは70歳をあだ名っぽいさん付けで呼んでいる。なんか呼び方から反社っぽさを感じてしまう。実際知らないけど。

さらに最悪なことに本人確認が済んでなかったので公的証明書のコピーがいる。

通常、免許証や保険証を使うがなぜか年金手帳がでてきた。

OJTの山田さんに見守られながら、おそるおそるコピーをとる。

住所氏名を書いてもらい、判子をおしてもらい、その間50歳おじさんは70くらいのおじさんに書き方なんかを教えていえる。

単に親切なのか、それとも騙してつれてきたのか?局内はそんな風に彼らを見ていたと思う、少なくとも私はそう。

そして高額な払戻しを済ませ(当時はまだ振込め詐欺のチェックリストがなかったのかも)ホッとした。初めての高額支払いだったので私もドキドキしていたのだ。

しかし山田さんの悲鳴が上がる。

なんと、公的書類と払戻し書の「シマ」の字が違うのだ。

なんて一般的にはどうでもいいことである。あー省略して書いてるのかなーみたいな。

でも金融機関ではそうはいかない。一字一句それらはそろっていないといけないのだ。

ちょっと記憶が曖昧だが、それらは裏技を使って処理した。

ちなみに本人確認は法律で決まっていることなので、やり忘れたとか、ちょっと無理目な処理などは法に触れると思われる。

本来は、このおじさんに連絡を取るなりして確認しないといけないのだが、確かこの人は電話がないとかだった。

しかし、これ、めちゃくちゃ危険なことで、例えばこの70のおじさんが実はちょっとボケていて50のおじさんが騙して連れてきていて…とかだとすると、氏名違いで本人確認に不安がある中で払い戻しをしたとなれば、訴訟とか起きた時に負けるらしいのだ。

(例えば70おじさんの身内が気付いて、詐欺なのではないか?→犯人消息不明→ほかに落ち度を問い詰める場所がなければ、払戻しをした職員に損害賠償を…とかになるのかな?)

しかもこうした書類はすべて私の判子がついてある。最悪だ。山田さんにもめちゃくちゃ怒られた。

が、OJTなら島と嶋なんかは間違いやすいから注意してね、とかないのかよ!とちょっと思った。だって私はまさか自分の名前を書き間違える人が世の中にいると知らなかったんだから、こうした事態を予測して未然に防ぐことができない。

もちろん、書類を落ち着いてチェックすればその場でわかることなんだけど、高額支払にビビッてちゃんとみていなかった。私が悪いが、私だけが悪いの?というやりきれない気持ちだった。

 

③保険システム改変事件

6月、保険加入のシステムが大きく変わった。

端末と呼ばれるもので作っていたのが、現金は端末で受入れるが、書類作成と登録は局内唯一のパソコンでやるらしいのだ。入社2か月、研修所から戻って1か月ほどのことだったともう。

それは来た。よりによってシステム変更初日に、満期になったので新しい保険に入りたいと。これは一応ノルマがある郵便局にとって願ってもないことであるが、初めての手続きで私はやりたくなかった。しかし、忙しいし、こんな時間がかかる手続きを誰かに代わってもらうなんてできない。

保険担当の男性先輩が仕事の傍らフォローしてくれ、パソコンで書類を作って、私は訳も分からず子供の使いとしてただ言われたことを伝言ゲームする役割になる。

私「ここに氏名と住所をお書きください」

客「ここは判子いりますか?」

私「あっ、えーーーーっと…○○さん、ここって判子いりますか?」

先輩「あー、○○だったらいるし、××ならいらないよ、○○だって?」

私「(○○ってなんだ?)えっと、お客様は○○でしょうか?」

客「○○ってなんですか?」

こんなやり取りをし、さらに保険手続きは説明から書類記入までざっと2時間はかかるのだが、たいていは30分くらいで終わるっしょ、という気持ちで来るお客様が多いので、だんだんイライラが伝わってくる。こわい…。

そして客と先輩の間を行ったり来たりしながら「支払いは月々でいいって?」と当然のように聞かれ、また小走りで客の方まで行き「支払いは月々でよろしいですか?」と行くと書類を書きながら「はーい」と答える。

そしてなんとか手続きが終わり、1か月分の保険料を差し引いた額の満期保険金(万札の束)を用意して「お待たせしました」と呼び出す。

あーやっと終わった、嫌な汗をかいた、ほんとよかった、と思うがお客様は戸惑った表情で

「え?私これ、全額保険に入れたかったんですけど?」

「だってこんな大金持って帰れるわけないじゃないですか?」

と言われる。

え?いや、支払い月々でいいって言ったよね??え??

と、先輩にも聞かれ「はい」と答える。しかしお客様は、こんな大金持って帰れないという。そこで通帳に入金する形をとって終了となった。

釈然としない客、しかもシステムが変わった初日なので、支払い方法の途中変更のやり方がわからない、その上、当時まだ保険加入確定後の取り消しができなかった気がする。

とりあえずお客様(女性)は帰り、私はほっとしたのだったが、事件は夕方起こる。

その客の母親が怒ってやってきて、保険金はすべて次の保険に加入するつもりだったという。

実際、一括支払いの方が安いしお得である、が、当時確定解除の方法がわからず、できないと聞いていた私たちはどうすることもできなかった。(でも多分かんぽ生命に電話すればどうにかなったんじゃないかな?システムとして変だし)

局長に言われ、保険に詳しい山田さんが対応させられる。

頑張ってなだめて説明し謝罪し、結局のところおそらく解約という形をとって入りなおすようにしたと思われる。

しかし、そうするとお客様はまた平日昼間に時間を作らないといけないのでものすごい迷惑がかかる。

一応これは、「私のせいで」起こったトラブルである。

が、私だって保険そのものもシステムもよくわかってない状態でお客様に

「月々?ほんとにいいんだな?てことは、今日の満期保険金は現金で持って帰ることになるぞ?いいんだな?一括じゃないんだな?」なんて発想はない。

こういう、ンな発想ない!という行き違いミスはよくあることで、ほんとに嫌だった。

ちなみに、国立大学を出ていた優秀な同期は、この手のミスがあった後からモチベーションが下がって軽く鬱になり体調を崩し敗血症になり辞めた。

しかも、彼女のいた局はそこそこ仲もよくて人間関係が最悪とかでもない。しかし、この仕事上発生するどうにも処理できない「私が悪いの?」という割り切れないミス、それが受け入れられなかったようだ。わかる。

 

④組合加入拒否事件

組合勧誘はすべての新人が最初にぶつかる壁でもある。

5月くらいは新人同士組合に入ったかどうか?を探り、勧誘を恐れ、どうするか迷うのが恒例である。

ちなみに、私のように組合に入っていない先輩は後輩から相談されることがある。組合は言ってないって本当ですか?どうやって回避したんですか?など。

そして、勧誘された後輩が言っていたのだが、組合のリーダーをやっている男性社員と山田さんとお茶をしたのだが、リーダー以上に山田さんの勧誘が熱心で驚いたそうだ。

想像に難くない。

結局私は組合に入っていないが、それでも1年目は恐ろしい出来事を経験した。

先の保険システム改変事件の前後だったろうか、もっとあとだったろうか、忘れてしまったが、OJTの山田さんからとうとう組合の加入用紙を渡されてしまうのだった。

OJTの山田さんは、OJTなので会社のルールで私の相談役にならねばならず、仕事終わりにお茶しないかと声を掛けられることがあった。

しかし、当時の私は、「これ、どっち??」とめちゃくちゃ焦った。

組合の勧誘なのか、OJTの一環なのか。しかも帰属意識の高い山田さんのことだから、当然組合には入るべきと思っていそうだし、山田さんの世代(40歳前後)は全員加入している。

どきどきしながら面談を終え、私はとにかく緊張しながら、仕事が難しいけど頑張って覚えますとかなんとか、表面的なことだけを言っていた。

のちに、山田さんが私が心を開いてくれない、と漏らしていたと人づてに聞く。

そんな面談の帰りだったか忘れたが、「ハイこれ」とクリアファイルに入った加入用紙を渡され、任意加入だけど組合は大事なものでどうのこうのだからと簡単に説明され、入るにしても入らないにしても、その意思だけ教えてね、と言って帰っていった。

最悪だ。入らないなら返事不要、ではなく、入らないにしてもその意思を言わないといけないのだ。

しばらくロッカーに放置し、山田さんと休憩が被らないように注意し、組合の話が出ないことを祈りながら数日を過ごした。忘れてくれることを願うばかり。

 

しかし数日後、運悪く山田さんと休憩が被ってしまい、お弁当があるが外食しようかと休憩室で財布をあさっていると声をかけられた。

内容は、最近の仕事のミスを指摘するものだった。たしか先の保険のことだっただろうか。

「○○さん(男性先輩)にちゃんとお礼言った?あなたのミスのためにいろいろやってくれたのよ?わかる?」

「い…言いました…」

「ちゃんと感謝してる?そういうの仕事で大事なのよ??

ねえ、私ほんとに心配!この前の組合の返事だってまだだし!」

覚えてたか、そりゃこの几帳面な人が忘れるわけないか…と瀕死の危機であった。

でも、私は組合を勧誘された時も軽く言ったはずの常套句

「今は、一人暮らしで、奨学金も返しているし、それが終わるまでは、ちょっと、支払いが…むずかしい、です…」

を繰り返した。(奨学金返済は嘘である)

実際、当時の手取りは初任給が158,000円である。

そこから家賃7万、光熱費、通信費、などひいたら…月々5000円組合に支払うなんて無理だ。一応残業代などもあって17万前後の手取りであり、組合費を払うこともできたが、そもそも任意加入なんだしそこはいいんじゃない?という考えであった。

山田さんの加入時の常套句はというと「みんなの支払った組合費で守られて恩恵を受けているのに、悪いと思わないの?」である。

みんなの組合費から恩恵を受けるのは悪い VS 金がない

 

ここまでのピンチと面と向かっての圧と恐怖に打ち勝って(?)加入はしなかった。

その後、山田さんは課長代理になって異動し、その2年後私も主任になり暇な局に異動となった。

ちなみに、山田さんがいなくなった後に、同い年で既婚者の男性が入ってきて、彼も組合に入っており、わりとみんな仲が良かったので私も「入りたくないしお金もないから無理です」とか冗談っぽく言ってかわせる関係だった。

それからしばらくして彼は離婚し一人暮らしを始めたのだが、かつて奥さんと共働きだったものの一人で家賃など払ってみると、組合費が本当にきつい、組合費くらいって言って悪かった、と言っていた。

だからまあ、実家暮らしならともかく一人暮らしの新人が「つきあい」で加入する必要ないよ。

 

 

以上が、郵便局1年目のおおまかな事件である。

ほかにも、その忙しい局にいた頃のエピソードとしては

通帳を繰り越したら最終残高が更新され、それをお金を取られたと勘違いしたお客さん(70前後の女性)が私を呼びつけ「金とりやがったな!騙されんぞ!」と怒鳴りつける。

払い込み1枚だけの男性が、局員が手数料を間違って言った(間違ってもらったわけではない)とブチ切れ、2時間怒鳴り散らして居座る(これは後輩が担当した客で彼女は泣いていた)。

あとは変な人シリーズで、入金しないと地球が滅びるという男性、自分で払い戻したお札の枚数が違う(数え間違い)と怒り局員が枚数を確認しぴったり合ってることを証明すると「誰の指示だ?!小泉(元総理?)の指示か?!」と叫ぶ中年女性、郵便物の中身を確認するとブチ切れる中年男性、自分が通帳をなくしたのに再発行に1週間かかるというともっと早くならないのか、俺めっちゃ困るんです!とゴネる男性などきりがない。

あと、マンスプレイニングも大盤振る舞いで、

まずは政治の話をするおじさん

「イヤー郵便局は待つねえ」

「すみません」

「そもそも、民営化したのが間違い、いや、あなたに言ってもしょうがないんだけどね、もとはといえば小泉が…」

次は、敬語にうるさいおじさん

「少々お待ちいただけますか」

「いただけますか?ってなんだよ、じゃあ「ません」っつったらどうすんだよ、お待ちください、だろ、ください、それしかないんだからさ」

このへんも挙げたらキリがない。

 

こんな感じで接客の嫌さが詰め込まれた感情労働MAXの仕事だった。

そしてOJTの山田さんは歴代で1番キツい上司だった。

朝機嫌が悪いと無言、局長ともめるとみんながいる休憩室で泣いている、泣いていなくても様子が暗い場合、無視してもだめだし、話しかけても反応が薄いし機嫌が悪い。

さらにそんな機嫌悪い日に限ってやったことのない手続きなどに当たると、OJTなのでまずはその上司に聞きにいかないといけない。

しかし、人数もギリギリで回しているし余裕はないので結局ちょっとややこしいで続きを山田さんがやることになる。

でもって忙しいので私は次の客を呼ぶほかないのだが、またしてもやったことのない手続きに当たる。で、みんな手が塞がっているので、一旦は山田さんに相談しに行く。

すると「私、今、あなたの仕事やってるのよ?!わかってる?!」

と怒られる。みたいなことが起こる。

でも保険の成績はいいし、几帳面なので事務の知識も完璧だった。

しかし異動後に後輩から聞いた話では、保険営業の成績が良かった後輩の客を取ったらしい。

 

そんな具合で1年目は本当にキツかった、仕事に慣れることで年々つらさやキツさは減っていったかもしれないが、仕事が嫌い、会社に行きたくないという気持ちは入社初日から1ミリも変わることがなかった。

でも、みんな「会社行きたくない」っていうし、それでもみんな耐えて会社に行っているのだと思っていた。

結局7年目に突発性難聴になり、辞める理由ができたといわんばかりに喜んで辞めた。自分で決断する勇気がなかったので、外的要因で「辞めざるを得ない」という状況になり喜んだ。

それに比べると、それ以降の事務の仕事はどれも楽なものばかりだった。

会社に行きたくない、と思うがそれはたるいなーくらいのもので、深刻で憂鬱なあの頃のものとは全く別物だった。よく鬱になってなかったと思う。

そうしたつらい経験を経れば、どんな仕事も耐えられる、と、思いません?普通。

ところが、今ちょっと怖い先輩にあたって本気で辞めたくなっている。

こうして書き出してみると、ミスの要因にビビッて失敗というケースが多いので、怖い人がマジで苦手なのかもしれない。

こういうことを言うと、そんなんじゃどこに行っても通用しない系の説教はあると思うが、うーん、でも逃げられるなら逃げ出せた方がラッキーよね、と最近は思う。

 

ああいう苦労を経ても、あれはツラかったがそれを乗り越えられたんだから今度だって!という気持ちにはならず、またツラさに耐えるのは嫌、という気持ち。

なんなら、新卒時代の方が、仕事にビビッていた分舐めた気持ちはなかったのでまだましだったともう。その分、自分を責める気持ちが強くこんな自分じゃダメだ、どこに行っても通用しない、転職なんて絶対無理、というネガティブ思考にあふれていて6年も時間を無駄にした、と今は思っている。

最短で転職サイト見ている

入社3か月、これまでで最短で転職サイトを見ている。

 

転職慣れしてきているということもあるけど、年を取ってもっとも落ちたものは忍耐力かもしれない。

給料の良さと労働時間の短さ、そして総務部っぽい部署で営業とか来客とかと直結しなそうな点、そして安定していそうな年数の長さもよさそうだと思い腰を据えて働くつもりで入社したものの、ずっといるのやだな…という漠然とした思いからサイトを閲覧している。

そして、最も大きな理由は引継ぎをしてくれている39歳の女先輩が怖いということである。

入社2週間くらいで既にけっこうなイラつき具合を出されていたのだが、最近は常態化しており、ゴミを見るような目で見られる傾向にある。(個人の感想)

今までもキツい上司はいたけど振り返っても新卒の時のOJTくらいで、あれは歴代でマジきつかったのであの頃の私偉すぎ!!!と感心している。

それでも、新卒時代の上司は上司なので、仕事で分からないことがあればほかの先輩に聞くなどして回避もできたし、誰に対しても(特別ひいきしている後輩でもなければ)均一にキツかったし泣いたり怒ったりしやすく「そういう性格」感があったので我慢できた。

 

しかし今の先輩は、確かに不快感を態度に出しやすいものの、後輩や同僚内では明らかに私に対してのみ発揮されている。

で、それが結構キツい。

その先輩がイラつきをあらわにする相手としては主に3人いることに気づいたのだが、まずは私の部の部長であるおじいちゃん上司、とはいえ立場が上の人なので、関わる頻度が低く、頻繁にイラみは発揮されていない。

次に、彼女が別の部に行く前の元上司であるパソコン関連を担当する上司。引継ぎ初日からこのパソコン上司に対するイラみはバリバリに発揮されていた。

そして最後が私である。

とりあえず質問をすると「え?なに?!(イライラ)ん??どゆこと??(眉間に皺をよせて)」という感じで気難しい表情を作り、「私が説明下手で何を言っているのか全然要領を得ないせいで伝わってこない」感をすごく出してくる。

なんというか、こっちがバカになった感じ。

後輩(私)がお馬鹿さんだから、何を言ってるのかさっぱりで、そのせいで私(引継ぎ先輩)の手を煩わせる困ったさん、という構図になる感じ。

今まで、誰に対しても機嫌が悪いと嫌な態度をとる人、に当たることはあったが、ピンポイントで自分に対してだけ嫌な態度をとる人には、思い返せば初めて当たった。

これ、すげーきついんだね。笑

何か言ってもとりあえず「意味わかんないこと言ってる」的な顔をまずされる。

一度、まだ入社1か月ほどの頃、引継いだ仕事でお客から問い合わせがあったので聞きに行くと、先のような態度をされ、向かい側に座っていた営業部の女性が不思議そうなちょっと驚いたような顔をしていた。

なんというか、ごく普通の質問なのに「だから!…」みたいな強い口調だったので、え?なんか10回目くらいの質問なの?みたいな表情だろうか。

その後、先輩は私のデスクに来てやばい奴を見るような顔で、ドン引きした表情をしながら

「あのさあ…これ、資料渡してるよね?これに書いてあるし、お客さんと同じ画面見ながら調べたりしないと、仕事、覚えないからさ…」

と言っていった。

ちなみに私は資料を見て、画面も見たうえで分からず聞きに行ったのだが(なるべく聞きに行きたくないし)そんなことは言えなかった。

 

それからしばらくして別の業務の引継ぎがあった。

この先輩はきっちり仕事をしたい几帳面なタイプなので、事前に資料を印刷して用意してくれ、1~10までを2時間ほどかけて全て説明しきるタイプである。

なので、資料がそろっていてありがたいが、時間やスケジュールには細かいし、もちろん相手のこれだけの準備に報いる姿勢がなければ厳しい。そして私は一生懸命というほどではないため、報いる姿勢が低いと思われる。

 

事前に「この日時間とれる?」と聞かれ、「じゃあ1時か2時から始めようか…うーん、1時かな…」と言われていたのだが、別の上司からの引継ぎ業務(私は3人の仕事の一部を振り分けられている)を習っていたために、昼休憩に入るのが30分遅くなってしまった。

なので、その先輩に今日が2時ではなく1時からだったことを一応再度確認し、昼を早めに切り上げようかなどと考えつつ向かった。

ちょうど休憩に入った先輩に、話しかけることを申し訳なさそうにする態度を心がけつつ「今日1時からでしたっけ?」と聞きに行くと、少し間があった後目を合わせず「うーん…じゃあ、半からにする?」と言われたので、「ありがとうございます」と言って昼休憩に入った。

 

そして引継ぎの時間になったのだが、作業する別室に入ってまず言われたのが

「あのさあ、ありがとうございますって、違うよね?」

であった。続けて、

「うーん、私、自分で言うのもなんだけど、まあ、けっこう丁寧に教えてると思うんだよね…で、まあそりゃ仕事って時間どおりに動けないこともあるし、柔軟にやっていかなきゃならないんだけど、私は30分ずれても、その30分て微妙な時間は他の仕事に充てられないんだよね、で、時間見ながら準備もしてるし?ていうか、ありがとうございます…?うーん、こっちは調整してあげてるんだし、ありがとう?なのかな?うーん…だって〇〇部長とか〇〇課長にはそんな言い方しないでしょ?」

と続いた。

私はもう「すいません…」と言うほかない。

 

なんか、こんなことを言われたのは初めてな気もする。

私はとにかくおとなしーくしているタイプなので、態度の悪さなどのボロが出にくく、目立たないゆえ抜擢もされないが攻撃もされない存在だった。だったはず。

 

これが、めったにかかわらない先輩だったらまだよかったが、私は引継ぎを受けたので、今後も疑問点はこの人に聞かないと解消されない。

しかし、今話しかけていいのかどうか、言い方に間違いはないのかどうか、伝わるように質問ができているのかどうかなどに神経をすり減らすのが心労になっている。

他にも、何かで質問があり聞きに行きそこはサクッと終わったものの、去り際に

「あ、そういえば◯◯の登録、全然進んでないみたいだけど?まあ、忙しいのかなーっ…と思って言わなかったけど…」

と言われ、「全然???」と思いながらも、たしかに6割やって月末日付のは後でやろうと思って暇な時間はだらだらしてたけど…と思いつつも

「あ、やり、ます!」と答えた。

半分以上やってますよ?とか言えないし、暇な週だったので忙しいのかなー、は明らか嫌みである。

そんでそっこーで登録作業を完遂したところ、夕方になって営業部の方で翌月分がもうアップされているのは早すぎではないか?とか揉めているのが聞こえてきたりした。

(ちなみに、翌月分を登録していても問題はない)

あーめんどくさい!

 

今ランダムに在宅勤務をしているので、正直先輩のいない日はめちゃ嬉しい、という事態。

今までも職場に苦手な人などはいたものの、こんなにダイレクトにかかわらなければならず、しかもほかの人には普通の態度なのに私に対しては明らかに厳しいという状況は初。嫌い感を出されながら働くのがけっこうツラいとは。

あまり女性から嫌われたり敵視されたことがなかったので戸惑っている。

 

さらに悪いことに、最近その引継いだ仕事で私がミスをしていたことがわかり、私の在宅ワーク中に発覚、顧客にもかなり迷惑がかかるということがあった。

もちろん、在宅明けに、その担当のパソコン上司と、その引継ぎ先輩に謝りに行った。

意外とキツいことは言われなかったものの、実はこのミス、私もちょっと「これでいいのかな?」と思うところがあったが、その日在宅だった引継ぎ先輩に連絡するのが嫌で見過ごしたことで起こったのだ。

完全に私が悪いが、もうこの「疑問点があるけど怖くて聞きに行けない」という状況から抜け出したい。

よって転職サイトを見ているわけである。

 

記憶では、新卒の仕事の方が仕事自体も重く、客もキツく、上司もキツいので今より大変だった。

しかし、そんな大変な苦労を若い時にしていても、今のような軽微な苦労から逃れたいと思うのだなーなんて考えている。

 

ちなみに、先輩はおそらく、私の帰属意識の薄さや、社内の人とのコミュニケーションが最低限であること、積極的に輪に入っていかないところなどが気に障るのではないか?と考えている。

入社初日は明るく話しかけてくれていたが、数日後からこんな感じになっていた。

 

ちなみに、先輩は悪い人というよりは、責任感が強く几帳面なため、自分にも他人にも厳しい、というタイプと推測する。

理由としては、入社2週間で展示会があった時、うちの会社は運営をするので学祭準備みたいに前日からホテルの地下でパネル配置などの作業をした時だった。

いつもその先輩がスケジュールを組んで当日の受付シフトなどを作るそうで、引き継ぎもあるので私はいつも先輩と二人組だった。

その先輩とは前日夜の飲み会でも隣なので雑談をする。

その時言っていたのだが、次の展示会は出張になるが、先輩は枕が変わると眠れないので睡眠薬を飲むし、普段もアラームより先に目が覚めるタイプなのだとか。

そこで、責任感が強く神経質な人なのかなぁ、と思ったりもした。

さらにその翌日、展示会が終わった後の社長や会長との会食が終わった直後、なぜか先輩は泣き出してしまった。私の横で。

「えっ?!」と思ったものの、年配でムードメーカーな女性が明るく慰めたりしており、私はどうしたらいいかわからず、そういえばチラッと親が入院したとか耳に挟んでいたので、まさか亡くなった?と思い何も声をかけなかった。

先輩はこの展示会の時もそこそこ私にイラついている様子で、私に何か言葉をかけられてもうざかろうと踏んだのた。

まあ、正しくは早く帰りたかったのだが。

帰りしな、営業部の私より年下の女性と明るい40くらいの男性と一緒になったら

「大山田さん(仮名)泣いてましたねーどーしたんすかねー」

「展示会成功してうれしかったんじゃないすかー?」

とつまらなそうに言っていたので、おそらく、感情の起伏などはいつものことなのかもしれない。

そういえば展示会直前も、突然早退していた。

 

なので、もともと性格がキツイ人という可能性はあるし、時間をかけて関係が改善するということもあるだろう。

しかし、その1年や半年、全然耐えれる気がしない。

 

しかも、私の前に実は3日で辞めた人がいるらしく、私のポジションで雇ったらしかった。

おじいちゃん上司曰く「こちらとしては、ゆっくり覚えてもらおうと思ってたんだけど、なんかすごく思いつめちゃったみたいで、その人の親御さんから辞めさせたいということで…」だそうだ。

ちなみに、私も出社3日目は熱を出して休んだ。

 (別に仕事がいっぱいいっぱいというわけではなかったが、入社前日に飲んでいて睡眠不足だったから?)

 

そして先輩以外の要因としては、そもそも、出張とかめんどくさい、私は入社当初、一泊だけ出張があると聞いており、てっきり一人で行くのかと思ってたらこの全員で行くらしい。

えーめんど。

それに、些細なことだが、社内はワードで文書が保存されていることが多いのもなんか嫌だ。

さらに、なぜか数字は全角だし、なのに当たり前だが、システムから出したものは半角のデータなのでこれらをマッチングするときめちゃくちゃ面倒、それもめちゃくちゃ嫌だ。

そんでもって、全ての資料が紙ベースで保存されている…なんで?

 

今日なんて、紙に印刷された文書をこれ作り直しておいて?と頼まれたが、これ、元々のExcelかWordデータあるやつだよね?データくれ、データを!

あと、今までも仕事つまんねーというのが常だったが、今回も新卒ほどではないけどつまらん。

今までのような、CADやAccessでなんか構築する仕事、まだマシだった。

 

という感じで全体的にめんどくささを感じている。

よく、新しい職場で人間関係を構築するのが大変、なんて聞くが、そもそも人間関係を構築したくない私のような人はどうすればいいんだ。

 

前職のダメ会社はブラックだったので、人が常に流動的でまとまりがなく、その分自由でだらしなくやってても誰も見てない…という環境だった。

正直、そのくらいいい加減な会社のが合ってたのかもしれない。

 

もともとの性格が不安症的なので、安定した老舗企業を選びがちたが、1番快適に働いたのは外資系ITだった。

上司はヤバい人だったし先輩の性加害疑惑が発覚して辞めたが、なんでもデータ保存で無駄がなく、部長から率先して定時退社で、用事のある日は早めに出社して早く帰ることもできた。

あー、あの環境、よかったなあ。

 

探せば緩い企業があると知った今、先輩のような几帳面な人がことさらしんどく感じる。

どこにもそんな人はいる、というが、新卒OJT以来なので7年ぶりくらいである。

 

ちなみに、奇しくも今のキツい先輩が大山田さん(仮名)、新卒時のキツい上司が山田さん(仮名)という共通点がある。

もうこの名前がトラウマになりそう。

お前の意見なんか聞いてない

https://note.com/mushitoka/n/nf305b44fb057
人の日記を読んで思った。

ここにある通り、何人かで集まって話している時に黙っている人、意見を言わないのは、裏を返せばそれはお前の意見なんか聞いてないよ、ということ、あーなるほど。

確かに私も早く終われと思うミーティングなんかでは黙ることで全体の尺短くなれ、と思っている。

あれこれと積極的に持論を語る人(私もわりとそう)と、押し黙ってる人はある意味同じなのかもしれない、自分の確固たる意見以外認めない、とうことなのかも。極端な解釈ですが。

何年も前にデートした元学友②

 そのゼミが一緒だった彼とは、その後何度か食事をすることになる。

というのも、家が近いのでたまにご飯に行く異性の友達という感覚だった。

とはいえ、彼の方はそうではなく、付き合えると思うから出かけていたのだが、そしておかげで彼のフラストレーションが増加することとなる。

サルトル存在と無に例として出ているのだが、男が女と会話をしていて、男が女の手を握る、すると女はそれに「気づかない」ということが、ある種パターンとして存在するらしい。

つまり女側はその関係を結論づけたくないという心理だった気がする。

難しかったのであまり覚えていないのだが、女の方は曖昧なままにしておきたいというもの。そしてそれは自己欺瞞であると書かれていた。
 

自分の行動は、思い返せばまさにこれに当てはまると思う。

私は2回目のデートの帰りに彼から花束をもらっていたのだ。

通常、花束をもらった女性は、それを愛の告白と受け止めキスでもするのだろうか?

私の場合はそうではなく、感謝の気持ちを伝えたのみである。

理由としては、彼は花卉関係の仕事についており、たしか学生時代のアルバイトも花関係だったので、なにかと飲み会や、集まりで花束を持ってくることがあったのだ。

ついでに言えば「これは女子だけね」っていうレディーファースト仕草(言い換えればプレイボーイ仕草)のセリフを添えて。

 

よって私がデートの帰りにもらった花束も、いつもの手土産感覚でありがたくもらうことにし、そこに恋愛的な意味づけはされていないものとして片づけた。

だって、はっきりと付き合いたいとか好きだとか言われていないのに

「こんな素敵な花束をくれたってことはつまり…これは告白、私のことが好きなのね、いいわ、私もときめいちゃった、私たち付き合いましょう」

って言うの?

おそらくは、付き合いたいなら好きっぽい態度を示して、理想のタイプと称し相手の顔の特徴をあげるとかするんだろうけど、特段恋愛感情はなかった。

もしも告白されたら、その時考えようというくらいにはいい加減であった。

 

そのため、相手をイラつかせることとなり、ちょっとしたもめごとが起こる。

ちょうど、もともと仲の悪かった女友達同士が、貸した教科書を汚しただの些細な事を理由に喧嘩をする感じ。

 

また例によって私は彼と出かけることとなる。

今度は深夜に映画を見るため、彼がレンタカーを借りて練馬あたりの映画館に行ったのだ。レンタカーだけどクーパーだった。

この頃は何度か食事に行っており、なんとなく出かけることも習慣化しつつあった。
クーパーの「わ」ナンバーを眺めながら、とにかくレンタカー代は半分払うと申し出た。

 

観た映画はグレート・ギャツビー藁の楯だった気がする。

私はせっかく車を出してもらっているので、少しでも楽しい気分にしようと、映画が面白かったと盛り上げるなどした。

というのも、明らかに彼のテンションは低く、何なら機嫌が悪い。

映画に向かったのは週末の深夜で、映画を見終わって早朝、特に練馬くんだりの飲食店が開いているわけでもなく、それに機嫌が悪い人との対立を避けたいため一刻も早く解散したい、よって単に映画を見て帰ることとなる。

正直、車の運転中、キレて対向車に突っ込むんじゃなかろうかとひやひやしていた。

もちろん、機嫌が悪いのは私から一向に好意のあるそぶりが引き出せないからだろう。彼の算段では、以前の展示デートの帰りに花束を渡し、次のデートで「フフ…実は私も、前からいいと思ってたの♡」など言われる予定だったのかもしれない。

 

しかし現実では、一向に女は「手を握られていることに気づかない(フリ)」のだからしびれを切らすだろう。

そうして私の家に到着し、軽く車の中で雑談とお礼を述べ帰ったのだが、直後にLINEで攻撃されることとなる。

 

内容はデート云々に関してではなく、その日たまたま彼に話したグループ展についてだった。

その頃、ちょうど私は友人たちとグループ展の準備をすすめており、初めてのグループ展で不安が大きく、私も初めての試みとさまざまな手続きを済ませ、思いきった決断をしたものだと新しい挑戦にドキドキしていた時期だった。

やってみたかった展示の案内カードを作ったり、名刺をこしらえてみたり、はっきり言って「イベントをやる」ということに浮かれていた。

そんなグループ展について、今度やるために準備をしていると話し、ゼミの先生にも案内だけ送ろうかな、などと話していたのだ。

 

すると、彼からは

先生に案内を送るべきではない

先生だって忙しいのだから巻き込むべきではない

範疇を越えている

迷惑がかかる

 

などのLINEが送られてきた。

当初、グループ展というものや、展示の案内というものをわかってないのかな?と思い、案内に強制力はなく、単に私の近況報告で送るつもりであって参加を促すものではない、とうことを送った。

しかし、再度繰り返しのような内容が送られ、そんなものを送るのは非常識、など、社会通念のようなものを盾に反論してきたのだった。

彼は私が先生に案内を送っても、寧ろ問題がない理由を知らないのだ。
かつて先生が私の親に会ったとき、就職先間違えたんじゃないですか?と冗談ぽく言っており、先生は唯一、卒業後も私に会うたび「漫画はどうした漫画は」と声をかけてくれていたのだ。

 

面倒だったが、そんなエピソードをLINEし、私が展示を開く案内を送ることの正統性のようなものを説明するハメになった。

しかし、彼は全く引かず、

「先生だって気をうかう、そんな案内がきたら花くらい送るだろうし花だってタダじゃない余計な手間が…」


と、ここで確実にこの難癖の真髄がわかるのだ。

要は言いたいことはこの1文であろう。
それが、先生に対する(彼に言わせれば出すぎた)連絡を糾弾するという大義名分を得て、私に不満を言うことができるのだ。

彼は私に花束をあげたのに、好意の返報という見返りがないことに腹をたてている、その確信が持てた一文だった。

花束は自分があげたいからあげたわけじゃなく、付き合えると思ったからあげたのだろう、そして花束=告白だ、汲み取れとうことだろうか。

それを考えると、これまでさまざまなゼミの集まりで花束を用意していたことにも、何か見返りを求めてのことだったのかと思ってしまう。

 

タダじゃない、というところに彼が以前フローリストの女性に一万円札を渡そうとしていたことも甦る、彼にとって世の中は金に換算して見るものなのかもしれない。

フローリストの展示だって、作品が買われれば嬉しいだろうが、お金をもらうことが目的ではないだろう。
作品に価値を見いだして気に入ったから買われる、それが最も嬉しいことではないだろうか。

いずれにしても、彼にしてみれば、先生に案内を出すことも、花束をもらっておきながら付き合わないことも、とても身勝手で非常識に見えたのだろう。

そんなLINEが来たのが朝5時とかである。
そしてそれを最後に会うことはなくなり、その数か月後に、謝罪の意味を込めた(?)食事が行われるのであった。

 

ところで、自分が相手を誘って付き合えなかった場合、相手を攻撃しようと思うだろうかと考えた。
例えば私が、自分が好きで食事に誘って、「私から誘ったから奢るよ」と言って奢ったり、「転職決まったんだってね、おめでとう、はいプレゼント」と言って数千円の花束なりネクタイなりをあげたとして、しかし食事には行くものの、いくら待っても彼から「付き合おう」とかも、何か恋愛をにおわせるプレゼントが返されるとかもなかったとしたら。
そこで残念な気持ちや悲しい気持ちにはなるかもしれないが、それが相手のせいだとは思えない。
諦めるのか、それでもそうした関係を維持するのか考え決断するまでで、何かの折に攻撃のチャンスを待つだろうか?

 

ところで、ホモソーシャル属性が高い男性と、他者への攻撃性の高さを関連付けても考えてしまう。

この場合彼の思考回路としては

・花を贈ったことで気持ちは伝えたつもり

・なのになんの(好意的な)お返しがないのはおかしい

・あの女が非常識な奴だった

というところだろうか。 

 

しかし、告白はされておらず、彼から明確に私に何をどうしてほしいのかという要望が伝えられることはなかった。

そこで失望するならわかるのだが、どうしても何か責め立ててやりたい、私に非があると証明したいというところまで行くと、攻撃しないと気が済まない性質を感じるし、さらには、コントロール欲・支配欲も感じる。

他者まで自分のパワーをはみ出させ、他者の意思決定に関しても影響力を持ちたい、という欲を感じる。

さらに彼のホモソーシャル属性の高さと絡めて考えてしまい、ますますホモソーシャルを信じてそのフィールドで地位を上げていきたいと考える男性への警戒と懐疑心を強める。

彼らは、自信のみならず他者の人生、生活全般において大きな力を発揮し、すべての決定権を持ち、さまざまな面で指揮をとりたいのだろうか。

こうしたタイプは本当に価値観が遠い場所にあると感じる。

何年も前にデートした元学友

前回のブログで、同じゼミの留学生のピアスについて「それって民族的な意味でしてるの?」という質問をした男性とは、卒業して4、5年後にデートすることになる。

というか、きっかけは同じゼミだった別の留学生がどこか他県に転勤するとかで、集まれる人で集まって飲み会をした時に、私が酔いつぶれて、家が同じ方向だった数名に介抱されたことが発端。

その彼はおそらく学生時代から私が住む駅の隣の駅にずっと住んでいて、私は半年前にまた学生時代の町に引越してきたばかりだった。

当時の私はショートカットで仕事は大嫌いで、いまよりもうちょっと太ってた気がする。つまり、今より若かったが今より全体的にダメだった。

その飲み会で酔いつぶれてタクシーに乗っている時に、なんとなく覚えてるのは私がその男性の手を握っていたということ。

しかし好意があったわけでもなく、とにかく具合が悪くて物事を認識する余裕なんてなかったので、そこに感情は皆無だった。

しかし、その翌日彼から「大丈夫だった?」と連絡があり、謝罪とお礼のラインをしたところ家の近くまでヘパリーゼ的な物を持ってきてくれたのだった。

優しいなと思い、かつて大学時代に私が彼氏と別れた翌日落ち込んでいたらアイスをくれたことも思い出した。

とはいえ、もともとゼミの友人以上の気持ちはなく、むしろイケてる先輩(留学してたので1年先輩だがゼミでは同期だった)にくっついて回るところにキョロ充的な面を感じていて精神的に幼い印象さえ持っており、イケてる人にコバンザメするのやめなよとやんわりと言った記憶がある。

今思えば完全にホモソど真ん中の男性だったし、その割には華奢な体形からホモソ界では上位に食い込むことが難しかったからこそホモソ上位への執着も強かったのかもしれない。

でもカジュアルお洒落な格好をしていて、見た目には女性から嫌われる要素は少ないタイプだった。(だからこそ脱ホモソをすすめたのだ)

 

そんなわけで、彼とは家の近くにある枝垂桜が1本ある広場のベンチで談笑をし、お花見をしようと提案され、断る理由もなかったので快諾して帰ったのだった。

しかし、やはりお花見をするのは気分が重かった。特に好きなわけでもないし、あまり行きたくない、それは何と言ってもデート的な行為をすることへの責任感や恋愛関係の複雑さが面倒だったから。

だからこそ、ここで私がお花見を断ることは、彼というゼミの友人の存在を恋愛と絡めて見ていることを表明することになるし、断って険悪になっても嫌だし、いずれにしても面倒だ。むしろ同性の友達だったらお花見しているだろうし、つまりあっけらかんと快諾することで友人関係であることを補強しようと考えたのだった。

ちなみに、お花見デートは、もともと楽しい大学時代を共有し、気兼ねなくお喋りができる間柄ではあるので普通に楽しく苦もなかった。

そのため、また誘われると断る理由もない。

で、そうした「近所の友達」としてのデートを重ねることとなるが、どうしたって2回目のデートなどは相手が恋愛感を出してくる。

つまり、ちょっとしたプレゼントがあったり、それなりに素敵な場所へ出向くことになる。

その時行ったのは、彼の知り合いのフラワーアーティスト(って言っても普段は花束を作ったりする仕事の人フローリストっていうんだったかな)の展示だった。

日本橋の廃墟のビルで行われていて、美術館などが好きな私にとっては興味深いものだった。そう、もともと友人なので何が好きかはだいたい押さえてくれているのだ。

その後数年間、デートする他人達に比べればもっとも趣味を把握していたといえる。

しかし、私がもともと彼を恋愛対象としてみれないのには理由があった。

似合ってもないパリピ仕草が抜けないところ、キムタクや窪塚洋介を連想させるワイルドな男性像を演じようとするところ、それほどオタク的に研究するほどのめりこんではいないだろうに映画等のズレた解釈を論じようとするところなど、必要以上に自分を大きく見せようとする、その器の小ささが気になっていた。

しかし、デートがつまらないわけでもなかったし、外見もダメではないし、女性に優しくあろうとするところ(もちろんこれはプレイボーイ仕草の延長なので多分ブスやグループ内の人気者ではない女に対しては発揮されないのだが)など、いい(?)点もある、だから彼のマイナス点は大人になって変わっている可能性にも期待した。

しかし、決定的に無理な出来事が訪れる。

それは、彼が知人であるそのフラワーアーティストの女性に会って軽く挨拶をしていた時、おもむろに財布から1万円札を取り出していたのだ。

ものすごく嫌な予感がして、きっとこの1万円を彼女にあげるんだろうけど、どう考えたっておかしい。

私はそんな人と関わりたくない、と瞬時に判断しその場を離れ別のブースの展示を見ているふりをしたので、その後どうなったのかわからない。

しかし、彼がお金を取り出したのは確実に彼自身の見栄のためであり、もらった方も困るし、そもそも現金をプレゼントすると言うこと自体が下品なこと、というのは常識ではないか?

それを見て、あーないな、と思ったのだった。

学生時代からうっすらと感じていたけど、彼の価値観の薄っぺらさ、奥行きの無さ、そこが確実に彼の魅力を大きく減らしていると感じていた。

まず、イケてる先輩について行く(サークルが一緒だったからでもあるんだけど)ところや、札を人にあげようとするところからも、わかりやすく権力が好きだし、その延長でカネを信じている。

こういう人は自分の信条や倫理観よりも、クソな権力者になびきそうだと思う。今で言えば総理とツーショットとってるような芸人とか。

そういうヤツは端的に言って人間性がクソだと思っている。

で、こうしたカネや権力を欲しがる若者はそもそも自分の価値観や考えが無いように思える。だからこそわかりやすく正解っぽいものをなぞろうとするし、その不安を隠すためにもキムタクのようなわかりやすくカッコイイ男みたいなポーズをとる。そして、映画や芸術に対する解釈を述べるなど、とりあえず一般的に「スゴイ」と思われそうな行動や発言は全部やっておく、という感じ。

 

私はスポーツに興味がないのだが、広く世間ではスポーツが人気でメジャーで皆の話題の中心であることが多いのに、なぜか映画・本・芸術が好きだったり詳しかったりすると「スゴイ」ということになる。

でもこれは、サッカーが好きな人が選手の名前を言えるとかその程度のことで、実際は好きな物についてちょっと知ってる、という当たり前のことなのだ。

なんとなくだけど、テレビでも日曜の夜なんかはスポーツ番組が多いくらいにメジャーなジャンルなので、メジャー好きな人が勝手に自分たちの知らない・興味ないもの→芸術を勝手にマイノリティで気難しいもの、ゆえに高尚なもの「スゴイ」と名付けただけだと思う。

しかし、絵なんて見るだけ、映画だって見るだけ、スポーツ観戦となんら変わらないのだから、何もすごくないのに。

サッカーや野球だってルールという知識がないと楽しめないのだから、その点は映画だって同じで知識だってその程度で十分で、芸術は特別なものではない。

 

で、そういうわけだから、彼は何か知らないけど芸術という高尚な領域について語れないといけない、と思っているのだ。

だから、それほど興味もなさそうなのにイーストウッドの映画を観て、解釈を単純な二元論で片付け、多様な問題提起を含んでいるのではないか?という私の解釈(ただの雑談)さえ「いや違う!」と一刀両断する態度からも、議論を楽しんでいるわけではないことがわかる。

分かってなきゃいけない、正解をたたき出さなきゃいけない、スゴくなきゃいけない、という昨今の○○らしさの呪縛に完全に囚われているタイプだった。

と、同時にそれは完全に彼を苦しめているのもうかがえて、結局は無理をしてどこかしらほころびや理論の破綻を招き、さらにそれを埋めようとまた見栄を張ったり無理をすることの繰り返しになる。

彼は大学の専攻もそうだが、なんとか好きな分野の仕事に就き、ちょっと専門的な仕事をしていて、特技があり、知識もあったはずだった。

そしてそれは他の人にはまねできないもので、十分に他人から評価されるに値するものだったし、それをエキスパート的に伸ばしていって、たとえ世間のマジョリティに合致しなくても、個人の幸福追求はできたはずだ。

しかし当時の彼の仕事は、勤務時間がタイトで業種的に高収入というわけでもなさそうだった。好きなことを仕事にしている、という満足感なんて、現実の生活のタイトさに負けるのはよく分かる。でもそれって好きなことを選んだ自己責任じゃなく、社会悪だよね?と最近は思う。

そうやってマジョリティ規範や価値観(稼ぐとか偉くなるとか)に沿っていないと自信が持てないような社会に問題があるし、はやくそうした時代が終わればいいともう。

 

が、そういうわけで、カネや権力などわかりやすい規範に沿おうとする姿がみっともないと感じた私は、やはり彼を恋愛対象として見ることはできなかった。

もちろん、先にここに書いた彼の長所をそのまま伝えてあげることもできたかもしれないが、そこまでの執着心もなかった。

それに、そもそも彼が私をお花見に誘ったのって、酔いつぶれて手を握られたことで

「この子俺のこと好きなんだな」=「イケる」

と解釈したからだろう。

失敗しない相手で、かっこいい俺を気持ちよく演じ切ることができる相手で、要は都合がいい相手でもあったのではないだろうか。

そもそもその発端や前提のキナ臭さが尾を引いていて興味が持てなかったのかもしれない。

しかし、アプリでデートしたり、会社の人とデートをしても、結局のところこの彼のような

・偽りのマジョリティ的社会規範にとらわれ

・無理に社会の規範に合わせようと見栄を張り

・付け焼刃の知識や振る舞いの結果中身のない人に見える

という点でナシになることが多い。

合わせて、

・そして何より失敗しない相手を選んでいる

という点も共通しており、好きかどうかよりイケそうかどうかが前提に来ている気がするのだ。

それはまあ、誰の第一志望にもなれない自分のポテンシャルの低さもあるので相手に問題があるとも言い切れないが。

社会が悪い価値観を醸成していてダメで、結果その空気に飲まれちゃって個を確立できなかった大人もダメ、そしてポテンシャルの無い私もダメ、という感じだ。

こうやって少子化なのかもね。

 

ちなみに、その彼とはのちに揉めてしばらく会わなくなり、その後の食事のことを日記に残してあった。

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