日記

日記です

パーカーのボールペン

パーカーという文具メーカーがイギリスの物だと知ったのはつい最近のことである。

1年前、ロンドン旅行に行くときに持って行ったペンは、大学の研究室の先生が引退する時の集まりで皆に配られたもので、適度に重みがあり、なめらかな金属のシンプルなデザインでPARKERと刻まれていた。

しっかりとしたペンなのだろうと思い、あえてロンドンに持っていたのだ。

だって、初めての一人旅だから、きっとホテルの部屋で旅で感じたことを綴るだろうと思っていたから。(実際は入国の紙を書くとき以外使わなかった)

そういう時に使うペンが、会社でもらったジェルペンじゃいけない。

特別なペンでなけれなと思っていたのだ。

そのペンがイギリスのメーカーだったなんて。何か縁を感じてしまう。

そのペンには、先生からの“贈る言葉”なのか、「積小為大」と刻印してあった。

小さな積み重ねがあってこそ大きなことをなせるのだ、というような意味らしい。

調べると二宮金次郎の言葉らしかった。

二宮金次郎といえば、背中に何か背負って本を読んでいて、小学校の校庭に必ずいる人である。

勤勉の象徴で、先生たちが私たちに「ガリ勉になれよ」という時に使う金次郎。

小学生の模範みたいなイメージがあり、学校と直結したイメージのために、先生や社会がコントロールしやすい、他人にとって都合のいい「いい子ちゃんに」なれ、と言われているような気になる、そんな二宮金次郎である。

しかし、今ざっと調べたところちょっと印象が変わった。

知らなかった。単に勤勉な人、というイメージしかなかった。

当時、農民の子供は農民にしかなれなかった時代に、自らすすんで勉強をして、農民ではなく幕臣になったらしい。国家公務員になって大出世みたいな感じだろうか。

つまりこれは、チャッピーと一緒なのだ。

チャッピーとは、第9地区などの監督ニール・ブロムカンプの映画であり、そこに出てくる人工知能のロボットの名前である。

チャッピーはひょんなことからギャングのカップルの下に暮らすんだけど、そこへ開発者が度々訪ねてきて、子供を育てるようにチャッピーにいろんなことを吸収させようと、キャンバスと絵具などを持ってくる。

しかし、ギャングの方は「ロボットに絵なんか描かせても無駄だろ」という感じ。

それを言われて消沈するチャッピーだが、開発者は筆を持たせて「これから君にはたくさんの人が『君にはできない』と言ってくる。でもそんな言葉は無視しろ、描きたければ描けばいい」と絵を描かせるのだ。

ちなみに開発者はインド系で、勤めている会社は白人ばかりである。

もちろん私はこのシーンで泣いた。

観たのは最初に会社を辞めて無職になりたての頃だった。

 

それにしても、二宮金次郎にせよ、チャッピーの開発者にせよ、なぜそんなにもまわりの声に惑わされずに「したいこと」「必要だと思うこと」を完遂できたのだろうか。

 

私だって、「30分近くの歯磨き」とかは、親にうんざりした顔をされながらも気にせず成し遂げたし、虫歯あるくせにバカめむしろこのくらいの歯磨きはお前こそ必要なのだ、とさえ思っていたけど、他のこととなると違う。

親や親戚、周囲やネットで調べたネガティブ情報に影響されて断念したことは多い。

しかし今やすべてが、もっと早くにやっていれば、どっちにしても好きなことをやっていた方がよかった、という後悔の方が多い。

彼らは人生の早い段階でそれに気づいていたのだろうか、あるいは超マイペースだったのだろうか。世の中に一定数、そうした周囲の危惧に無関心な人はいるらしい、鈍感力とかいう言葉も目にしたことがある。

そういう特殊な人だったのかもしれない。

 

研究室の先生はこれまで関わった「先生」という立場の人の中では1番思い出深い人である。

とはいえ大学院に進んだ人に比べれば私なんてほとんど交流はなかったが、大学というところの先生という人たちはこんなにも先生っぽくないのか、と印象付けた人であった。

卒論のテーマは自由で、かつて何かの授業で「いい研究とはなにか」という話で、まだ誰もやっていない研究、と言っていた。

かつて何かの仕事で地方講演に行った際、幼少より優等生だった母は「先生」という生き物が好きなので講演を聞きに行き挨拶にいったそうだ、その時先生は私について「就職先間違えたんじゃないですか?」と言ったとか。

当時金融機関に勤めていた私が、1番言ってほしい言葉だったと思う。

 

「すごいじゃん」

これは当時付き合っていた彼氏が、私が仕事柄扱う商品について聞かれた際、詳細に答えた時の回答である。

これはこういう商品で、こういう違いがある、と答えたら「へえ、すごじゃん」と子供を褒めるように言ったのだった。

おそらく彼氏としては、仕事が嫌いでいつも憂鬱そうにしていた私を励ます目的もあったのだろうと思う。

きっと“仕事がうまくいっていないから仕事が嫌いなのだろう”と思っていたのかもしれない。

しかし、言葉にしなかったものの私はムカついた。

バカにしやがってという気持ちだった。

 

積小為大、クールなPARKERのペンに読みやすいゴシック体で刻まれた積小為大、その横には四葉のクローバーのマークもついている。

正直デザインはダサいが、往々にしてコツコツ積み重ねる努力の姿は地味でダサいものである。

しかも、それが評価されたり形にならなければ、「頑張った」と認めてもらえることも少ない。

 

1月から描きはじめた作品は結局62ページにもなった。

絵を描くだけで1ページに3~4時間かかった。

それが最終選考に残ったという連絡が来たのは4月25日。

生まれて初めての「朗報」だった。

奇しくも、ちょうど1年前の4月25日といえばちょっとしたつまらない挫折があった日。

今、大槻ケンヂの「グミ・チョコレート・パイン」を読んでいるが、ずっとじゃんけんで負けか、勝つとしてもグミでしか進めなかった私が、チ・ヨ・コ・レ・イ・トをキメられるかもしれない。

誰かが熱心に連れの可愛い子に話しかけ気の利いた冗談みたいなものをかます、その真横で常に存在の意味なく笑っていた、みたいな人生。

そんな人生に勝ちたい。(勝ち組になる、とはちょっと違う)

先日、編集担当者との打ち合わせのため講〇社に行ったが、たった1回の社会科見学で終わらせたくない。


ところで、よく「人と違う道を選ぶならば人生を捨てたつもりで取り組まなければならない」みたいなことを聞く。

つまり、夢追いをするなら、安定した生活とか、結婚や出産などは諦めなければならない、などである。

個人的には何を選ぼうとも、生活や結婚、子供みたいなものをないがしろにしなくてもいい社会になれや、と思うがそれは今置いとくとして、私の場合面白いのは、人と同じ道を歩んだはずなのに、結婚の気配もなく、収入もわずかで、あとは年齢とともにゆっくりと衰退していっているところである。

人と違う道、を歩まなくても、生活とか人生を捨てた人とそう大差ない気がするのですが。

そういうわけで最後には、やりたかったことに取り組むしかなくなった。失うものが何もないとわかりきって初めて、である。他にしたいことが特になかった。

ロンドン一人旅 帰国

行はドーハ空港で4時間ほど待ち時間があったのに対し、帰りは2時間ほど。

それなのになかなか飛行機が離陸しない。

アナウンスが流れ、エアーコンディショナーがどうのと言っていた。

まさか初めての一人旅ではじめて飛行機の乗り換えをしそびれるのか。確かにあと1日でも長く国外にいたいがその場合の手続きやお金、語学の問題が頭をもたげる。

やっと離陸すると飛行機は大きく揺れ、一瞬急降下しどこかから本気の「きゃあ」という悲鳴が聞こえたが、私はその揺れの中意識が遠のき眠ってしまった。

 

ドーハ空港ではダッシュで乗り換えをした。

空港の人が通路で「トランジットの人はこちら」みたいな片言の英語を叫び、臨場感を煽る。

意外と余裕で飛行機のゲートにたどり着いた。

当然だが成田行きの飛行機はほとんどが日本人で占められている。行きで見かけたような中高年の団体旅行の人々が、楽しそうに思い出話をしていた。

 機内食、朝、昼、夜、どれかわからない。

 

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たしかドーハ空港から出発したときにみた朝焼け

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そして日本に着いてしまった。

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Wi-Fiを返し、電車に揺られながら帰宅。

やっぱり我が家がイチバン、みたいな気持ちにはならず、ただただひたすら悲しかった。

放心状態で銭湯に行き、少しでも非日常感を維持しようと勤めた。

 

これらはロンドンで買ったもの

 

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プサンスーチョンがスーパーで売っているのには驚いた。私のなかで紅茶ブームが再来した。

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大英博物館で買ったもの。

クイーンのイラストが描かれた紅茶の缶。今も使ってる。

 

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これはハリーポッターのショップで購入↓

 

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こっちは自然史博物館↓

 

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チョコレート

 

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キャップ

 

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有料の袋↑2ポンドした記憶。

VAmuseumで買ったリュック

natthakurというメーカーのもの

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ほかにもいろいろf:id:umemekko:20180529025830j:plain

メントスはなんとガム。ドーハ空港で買ったもの。

エアロミント味は、ノッティングヒルのセインズベリーで購入。

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ちゃんとティーカップで飲みました。

 

ちょうど一年前の5月21日に出発している。

ロンドンにいる間ずっと風邪をひいていた。ポンドの硬貨は今も残っているが、一体次に行けるのはいつなのだろう。

今度はイギリスの田舎に行ってみたいとも思っているし、ロンドンからパリへも行ってみたい。

 

ロンドン一人旅 最終日

13時頃の飛行機に乗る予定なので、午前中にできることなど特になく、忘れ物をしないように荷造りしてホテルを出る。

堀辰雄の「風立ちぬ」に、今病室から見る夕日がこんなにも美しいのは、病床の妻とあと何度見れるかわからないからだ、というようなことが書いてある。

私もまったく同じ気持ちだった。

安いビジネスホテルも、最初の朝間違って入った大食堂の喧騒も、結局利用しなかったラウンジも、ホテルに併設されたパブも、全部全部が愛おしい。

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感傷的な気持ちでホテルのキーを返すためカウンターに向かったが、ただ単にキーをカウンターに置いたらそれで終わりだった。

そうか、私の一世一代のロンドン一人旅も宇宙から見ればこのくらい些細なことなのだ。

ホテルの1階にある広間では、ポストカード一市のようなものがやっており、キャリーバッグを押しながらちょっと覗こうかと思ったが、有料だったのでやめた。

土産物屋には、いかにもなロンドン土産が売っており、二階バスのミニチュアやポストカードもロンドンらしいタクシーに、イングリッシュブレックファースト、クイーンや、ちょうど結婚式の終わった頃だったのでメーガン妃など、これぞロンドンというものが並ぶ。

北海道でいう「熊注意」の類の、学生のおふざけ買い以外では絶対いらないものたちだが、ありきたりなポストカードでさえ愛おしく感じる。

なぜ買わなかったんだ。

ホテルの多い地域なので土産物屋もよくみかけた。

www.google.co.jp

 

 

そんな定番の土産物の一つに、ロンドンの地下鉄のマークを模した

Tシャツがある。

中央の青いバーに「Mind the gap」と書かれたものをよく見かけた。

www.google.co.jp

 

私はイギリスらしいスラングでも書かれているのかと思っており、いい大人が絶対に身に着けてはいけない類のものだろうと踏んでいた。

この間も家の近くで「令和」と書かれたTシャツを身に着けた外国人を見かけた。あのあたりは観光地ではないが。

私の解釈は以下の通りである。

Mind the gap・・・ということはあれだ、マインドとギャップ、理想と現実のギャップ、転じて理想を高く持ちすぎるなギャップに苦しむから、という実に階級社会らしいスラングだ、と思っていた。

ところが、帰国2日前ほどのこと、ふと地下鉄でMind the gapという言葉を耳にしたのだ。

それも人の会話ではなく、駅のアナウンスで。

電車がホームに滑り込むとき「Please mind the gap」とアナウンスが流れるのだ。

つまり、日本でいう電車とホームの隙間にお気を付けください、の意味である。

このMind the gapはTシャツになるのもその通りで、イギリス英語らしい言い回しなのだとか。

調べたとこによると、アメリカ英語で「注意」の意味として用いるなら、Watchとか、Caution、でMindを使うことはほとんどないそう。

 

本当は、土産物屋でイギリス女王の置物を買って帰りたかったが、ホテルにも駅までの道のりの土産物屋にも無かったのであきらめた。

 

飛行機までの時間は十分に時間があるが、直前に慌てたくないので余裕を持っていくためにも、今日の予定は何もない。

パブのスワンはホルボーンまでの途中にあるので、キャリーバッグを引きずりながら歩いていった。

人通りのないしんとした朝のパブ。物悲しさに拍車をかける。

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まだ歩いたことのなかった通りに公園があった

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たしかパブのあるここはコスモプレイスという通りだ。

地図を見ると、車も通る大通りはRoad 、way 等の名前がつき、車1台分くらいの通りがstreet、そして人しか通れないような道はPlaceとなっている、気がする。

 

あっという間のロンドンだった。

ふと、私ロンドンに触ってない 、と気付きその辺にある建物の煉瓦に中指てつんと触れてみた。

当たり前だかゴツゴツしてザラザラしていた。

 

到着初日に通ったラッセルスクエアも歩いてみる。

初めてロンドンで迎えた朝、大英博物館に行くためこの辺りを歩いたが、恐らく通勤途中の人々が反対側の通りにショートカットするため無心で歩いていたのを思い出す。

することがないし、あえて別れを惜しんで感傷に浸りたいから無駄に散策する。

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初日に駅に降り立ったとき目に留まった駅前の売店で、通勤途中のように、まるで日課のようにホットコーヒー(ここではアメリカーノか)を頼みたかったが閉まっていた。

土日はやっていないのだろう。

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そうして一通り町と別れを惜しんで地下鉄に乗り込んだ。

ピカデリーライン一本でヒースロー空港までついてしまう

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駅に着くまでロンドンをひたすら写真に納めながら、昼前のがらんとした地下鉄で泣いた。

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帰りたくない。それに帰ったところで6月からは、特に思い入れもない新しい仕事が始まるだけだ。

一体誰が、「期待と不安の入り混じった」なんて言葉を発明したのだろう。

少なくとも就職に関しては「倦怠と不安の入り混じった」の方が正しい。

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駅についてまずはオイスターカードの払い戻しをする。

意外と4ポンドも戻ってきた。何に使おう。

ヒースロー空港では、まずはTaxFreeの手続きをする。

もらっていたレシートに何か書いて受付に持っていけばあとは係の人がやってくれた。しかし、払い戻し分を口座振り込みにチェックしたにもかかわらず現金で返って来た。困った。現金はある程度あるし、今日空港で使い切れるのだろうか。

とりあえず、ロンドンでよく見かけたけど一度も入らなかったカフェに入ってみる。

Cafe Neroという店。セガブレードザネッディみたいな店だろうか。

カプチーノを頼んだ。

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お腹はあまり空いていないが事前に調べていたレバノン料理の店を探す。

本当はインドカレーが食べたかったが空港内になかったのだ。

ハーブの味でおいしかった。

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そして海外旅行の定番、Duty Freeの店で化粧品を買うのだ。ここで手持ちのポンドを使い切らねば。

しかし、こういう時に限ってこれと言ってほしい物がない。

だいたい私はいまだに、10年以上前にアルゼンチンかバルセロナに行ったときに買ったシュウウエムラのフェイスパウダーも、クリニークのペンシルライナーも使い切っていない。

絶対に今何かしら買うべきなのだ。

しかし店員さんを呼び止め口紅の試し塗をする勇気もない。そうして結局消耗品であるネイルのセットを購入した。

ポンドの硬貨がじゃらじゃらと残っているが、意外と買い物に時間がかかってしまいもうゲート入りの時間がきてしまった。

レジで店員さんがお喋りしながら接客をしている間にも、なにやらアナウンスが流れている。

そして早歩きでゲートに向かう。

途中、「Donate」のBoxを見つける。なるほど、私みたいな人の使わない硬貨はこうして有効活用した方がいい。ロンドンでは最初から最後までDonateを見かけた。

しかし、結局Donateせずに飛行機に乗った。

 

ロンドンでペットボトルを買うとこの口が多い↓

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ロンドン一人旅5日目 最後のディナー

コヴェントガーデンからラッセルスクエアを目指す。

2駅程度だしロンドンを歩き回れるのも実質今日が最後だし、歩きながらいい感じのインド料理の店を探そう。

ロンドンの一駅の距離は東京23区とそう変わらないが、人口は800万人ほど、東京23区より100万人少ない。

だからか、どこを歩いていても頭の痛くなるような「人ごみ」には出くわさなかった。

街中に点在する小さな地図を頼りに歩いたが、なにせ方向音痴なので隣駅のホルボーンにつくまで1時間もかかった。

途中黒人女性にホルボーン駅を尋ねられたが私が聞きたいくらいだった。

ロンドン最終日にして道を尋ねられるとは、私もとうとうロンドナーになったのか、と一瞬嬉しく思ったが、ロンドンは国際都市なので、どこの国もどんな人もいる。

アジア人なんて珍しくないのだ。

西日に打たれながらひたすら歩く。

観念して大英博物館付近のカレー屋さんをググることにした。

いつもなら、さっとスマホを出してすぐに調べるのだが、ロンドンにいる間は、まずはWi-Fiの電源をオンして数分待ってそしてスマホをいじらなければならないので調べるのが面倒なのだ。

だけど何としても今日こそは、うまい外食がしたい。

そして美味しそうなインドカレー屋さんを見つけた。

シャフツベリー・アベニューにあるインドレストラン。

やっとのことでたどり着くとちょっとした列ができていた。

ちなみに観光客らしき家族連れだったので、おそらく観光客慣れしている店だろうと思い、これなら安心して入れると思った。

しかし、ここでも私の悪い癖が出る。

入る勇気がない。

だいたい、インドレストランという雰囲気で、白いテーブルクロスが掛かっているし、ナプキンも置いてある。

サマータイムで周囲は明るいけれど、そろそろディナーの時間で、誰もが2人組かグループか、とにかく「一人」以外でテーブルを囲んでいる。

いつだったか、スペインでは食事を一人ですることがかなり変なことで、見ず知らずの他人が、「よかったら一緒に食べますか」と声をかけてくるらしい、とテレビで観た。

まさかイギリスにはそんな文化はないだろうか?

それに、レストランって、いったいいくらするのだろう。ロンドンでのカレーの相場はいくらなのだろう。

レストラン、観光地、ぼったくられはしないか。

なぜイギリスに食べログがないのだ。ディナーの平均予算額を載せてくれ。

というか、1番のネックは私が英語が非堪能なことなのだ。

ポンドはディナーする程度には十分あるし、万が一足りなかったらカードで払えばいいし、ていうかせっかくなんだからカードで払わなきゃいけないくらいの思い出づくりをしたれよ!

が、それができないのは、英語が話せないという不安からだ。

レストランで何か聞かれても、あわあわして何も答えられないのは目に見えてるし、オーダーくらいなら適当にできるだろうが、カップルや家族連れでディナーをいただく人たちの中で、一人カレーを食べながら「カラーン!」とフォークを落としてしまったりしたらどうしたらいいんだろう。

レストランでは自分で拾わないのがマナーと聞くが、ロンドンもそうだろうか?

心を落ち着けるために、とりあえず周辺を歩くことにした。

一旦この場所を離れ、それでもやっぱりカレーが食べたい、という思いを育てることで、勇気を出す作戦である。

大英博物館から10分程度のあたりだが、日本語メニューの書かれたフィッシュアンドチップス屋さんなんかがある、ああ、もう、この店でもいいか、という気持ちになる。

そういえば10年ほど前、ゼミ旅行でバンコクに行ったときも3日目には値切るのにも疲れてそのままの値段で買っていた。

外国語を話すのも、外国でコミュニケーションを取るのも疲れる。

さらにその近くには、日本人がいる美容室があった。よく分からんが海外進出した日本の美容院なのか、それともたまたま日本人が働いているだけなのか分からないが目に留まった。

暑い、汗がベタベタして、足も疲れた。連日歩いているのでポンプフューリーの中では足の裏に水ぶくれができていた。

 

そうして結局私が買ったのは、フィッシュアンドチップスの店でパイとフライドポテトをテイクアウェイしたのだ。

(さっきの日本語メニューの店ではない)

これでいいのか、いいわけないだろ。

しかも、せめて食べてみたかったキドニーパイを頼もうとしたら売り切れていたので、普通にビーフアンドオニオンのパイである。

キドニーパイは臓物のパイで、イギリス独特のものだからぜひお試しあれ、とガイドブックにあったのだ。

ちなみに、買った店はいかにもリーズナブルな店で、表に堂々と値段の書いた看板が出ていて、店で食べることも持ち帰りもでき、何より観光客にもわかりやすくでかでかと「Fish and Chips」と書いてある店だ。

そして、なにか生野菜でも食べようと、ホテル近くの安い売店でサラダを購入した。

考えたくないけど、もしかして今回のロンドン一人旅は失敗なのではないか?

明日で最後という暗い気持ちにどんどん拍車がかかる。

はっきりいってこの先低迷を極める日本と私の人生において、最初で最後のロンドン一人旅、その最後の飯が血迷ったファストフードでいいのだろうか。

第一、サラダはふたを開けた瞬間チーズか何かがダメになっていそうな臭いだったので全て捨てた。

私の人生そのものではないか?血迷った挙句、元来の怠け心が起きだし、勇気と思い切り、そして知性(語学)がないせいで非ベストな決断を下し、「それなり」の結果が待っているという。

そして食べきれずポテトはホテルのゴミ箱に捨てた。

 

ちなみに、パイは普通においしかった。昔サンジェルマン(パン屋)でバイトをしていたけど、そこのミートパイの味がした。

それと、もう最後なのに何もイギリスらしいことしていない・・・と思ってウェイトローズに行き、サマープディングを購入していた。

スポンジでフルーツをサンドし、シロップ漬けになったものがサマープディングである。

食べると意外と甘くなく、酸味があって爽やかな味、おいしいかどうかは分からないが、体験としてはまあよかった。

これがロンドン最後の夜、最後のディナー。

イギリスの飯はまずい、とは世界共通で有名な話のようだが、ここにきて「最近はそうでもない」というのが有名な説になってきている。ように感じる。

というのも、移民が増えて多国籍になって、いろんな国の食べ物が食べられるから。

しかし、私は「これは!」という飯にありつけなかった。全ては語学力のなさが、さらに私から勇気とコミュニケーション能力を奪ったためである。

それを踏まえて考えると、もしかして、イギリスの飯はマズイ!と言っていた(少なくとも)日本人は、単に「ティスイズアペン」レベルの英語力でイギリスに行ったために、地元民の通う「うまい店」に行けなかっただけなのではないだろうか。

とにかく私の英語力は「戦後間もない日本」レベルであった。

 

思い切って転職をすることにし、その有休消化ではじめての一人旅をしているが、結局は日本にいる時と同じ、普段の自分「らしさ」で躓いている。

私のロンドン一人旅、もう巻き返しが効かないだろう。

明日は帰国の日だ。

 

p.s.この日初めてホテルからウェイトローズへの近道を見つけた。

いつも出る通りと反対側の道から行けば、ウェイトローズほぼ直結の道路で行けたのだった。

灯台下暗し、青い鳥は籠の中に、である。

ロンドン一人旅 5日目 最後のディナー

コヴェントガーデンからラッセルスクエアを目指す。

2駅程度だしロンドンを歩き回れるのも実質今日が最後だし、歩きながらいい感じのインド料理の店を探そう。

ロンドンの一駅の距離は東京23区とそう変わらないが、人口は800万人ほど、東京23区より100万人少ない。

だからか、どこを歩いていても頭の痛くなるような「人ごみ」には出くわさなかった。

街中に点在する小さな地図を頼りに歩いたが、なにせ方向音痴なので隣駅のホルボーンにつくまで1時間もかかった。

途中黒人女性にホルボーン駅を尋ねられたが私が聞きたいくらいだった。

ロンドン最終日にして道を尋ねられるとは、私もとうとうロンドナーになったのか、と一瞬嬉しく思ったが、ロンドンは国際都市なので、どこの国もどんな人もいる。

アジア人なんて珍しくないのだ。

西日に打たれながらひたすら歩く。

観念して大英博物館付近のカレー屋さんをググることにした。

いつもなら、さっとスマホを出してすぐに調べるのだが、ロンドンにいる間は、まずはWi-Fiの電源をオンして数分待ってそしてスマホをいじらなければならないので調べるのが面倒なのだ。

だけど何としても今日こそは、うまい外食がしたい。

そして美味しそうなインドカレー屋さんを見つけた。

シャフツベリー・アベニューにあるインドレストラン。

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パンジャーブ

80 Neal St, London WC2H 9PA イギリス

+44 20 7836 9787

https://maps.app.goo.gl/nM9GXUhtmpS2A7xJ8

 

やっとのことでたどり着くとちょっとした列ができていた。

ちなみに観光客らしき家族連れだったので、おそらく観光客慣れしている店だろうと思い、これなら安心して入れると思った。

しかし、ここでも私の悪い癖が出る。

入る勇気がない。

だいたい、インドレストランという雰囲気で、白いテーブルクロスが掛かっているし、ナプキンも置いてある。

サマータイムで周囲は明るいけれど、そろそろディナーの時間で、誰もが2人組かグループか、とにかく「一人」以外でテーブルを囲んでいる。

いつだったか、スペインでは食事を一人ですることがかなり変なことで、見ず知らずの他人が、「よかったら一緒に食べますか」と声をかけてくるらしい、とテレビで観た。

まさかイギリスにはそんな文化はないだろうか?

それに、レストランって、いったいいくらするのだろう。ロンドンでのカレーの相場はいくらなのだろう。

レストラン、観光地、ぼったくられはしないか。

なぜイギリスに食べログがないのだ。ディナーの平均予算額を載せてくれ。

というか、1番のネックは私が英語が非堪能なことなのだ。

ポンドはディナーする程度には十分あるし、万が一足りなかったらカードで払えばいいし、ていうかせっかくなんだからカードで払わなきゃいけないくらいの思い出づくりをしたれよ!

が、それができないのは、英語が話せないという不安からだ。

レストランで何か聞かれても、あわあわして何も答えられないのは目に見えてるし、オーダーくらいなら適当にできるだろうが、カップルや家族連れでディナーをいただく人たちの中で、一人カレーを食べながら「カラーン!」とフォークを落としてしまったりしたらどうしたらいいんだろう。

レストランでは自分で拾わないのがマナーと聞くが、ロンドンもそうだろうか?

心を落ち着けるために、とりあえず周辺を歩くことにした。

一旦この場所を離れ、それでもやっぱりカレーが食べたい、という思いを育てることで、勇気を出す作戦である。

大英博物館から10分程度のあたりだが、日本語メニューの書かれたフィッシュアンドチップス屋さんなんかがある、ああ、もう、この店でもいいか、という気持ちになる。

そういえば10年ほど前、ゼミ旅行でバンコクに行ったときも3日目には値切るのにも疲れてそのままの値段で買っていた。

外国語を話すのも、外国でコミュニケーションを取るのも疲れる。

さらにその近くには、日本人がいる美容室があった。よく分からんが海外進出した日本の美容院なのか、それともたまたま日本人が働いているだけなのか分からないが目に留まった。

暑い、汗がベタベタして、足も疲れた。連日歩いているのでポンプフューリーの中では足の裏に水ぶくれができていた。

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そうして結局私が買ったのは、フィッシュアンドチップスの店でパイとフライドポテトをテイクアウェイしたのだ。

(さっきの日本語メニューの店ではない)

これでいいのか、いいわけないだろ。

しかも、せめて食べてみたかったキドニーパイを頼もうとしたら売り切れていたので、普通にビーフアンドオニオンのパイである。

キドニーパイは臓物のパイで、イギリス独特のものだからぜひお試しあれ、とガイドブックにあったのだ。

ちなみに、買った店はいかにもリーズナブルな店で、表に堂々と値段の書いた看板が出ていて、店で食べることも持ち帰りもでき、何より観光客にもわかりやすくでかでかと「Fish and Chips」と書いてある店だ。

そして、なにか生野菜でも食べようと、ホテル近くの安い売店でサラダを購入した。

考えたくないけど、もしかして今回のロンドン一人旅は失敗なのではないか?

明日で最後という暗い気持ちにどんどん拍車がかかる。

はっきりいってこの先低迷を極める日本と私の人生において、最初で最後のロンドン一人旅、その最後の飯が血迷ったファストフードでいいのだろうか。

第一、サラダはふたを開けた瞬間チーズか何かがダメになっていそうな臭いだったので全て捨てた。

私の人生そのものではないか?血迷った挙句、元来の怠け心が起きだし、勇気と思い切り、そして知性(語学)がないせいで非ベストな決断を下し、「それなり」の結果が待っているという。

そして食べきれずポテトはホテルのゴミ箱に捨てた。

 

ちなみに、パイは普通においしかった。昔サンジェルマンでバイトしてたけど、そこのミートパイの味がした。

それと、もう最後なのに何もイギリスらしいことしていない・・・と思ってウェイトローズに行き、サマープディングを購入していた。

スポンジでフルーツをサンドし、シロップ漬けになったものがサマープディングである。

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食べると意外と甘くなく、酸味があって爽やかな味、おいしいかどうかは分からないが、体験としてはまあよかった。

これがロンドン最後の夜、最後のディナー。

イギリスの飯はまずい、とは世界共通で有名な話のようだが、ここにきて「最近はそうでもない」というのが有名な説になってきている。ように感じる。

というのも、移民が増えて多国籍になって、いろんな国の食べ物が食べられるから。

しかし、私は「これは!」という飯にありつけなかった。全ては語学力のなさが、さらに私から勇気とコミュニケーション能力を奪ったためである。

それを踏まえて考えると、もしかして、イギリスの飯はマズイ!と言っていた(少なくとも)日本人は、単に「ティスイズアペン」レベルの英語力でイギリスに行ったために、地元民の通う「うまい店」に行けなかっただけなのではないだろうか。

とにかく私の英語力は戦後間もない日本レベルであった。

私のロンドン一人旅、もう巻き返しが効かないだろう。

 

p.s.この日初めてホテルからウェイトローズへの近道を見つけた。

いつも出る通りと反対側の道から行けば、ウェイトローズほぼ直結の道路で行けたのだった。

灯台下暗し、青い鳥は籠の中に、である。

ロンドン一人旅 5日目 ポートベローマーケット パディントン コヴェントガーデン②

公園沿いを歩いてパディントン駅を目指す。
この辺りはあまり人通りが少なく、緑が多く、街並みがキレイだった。
駅前に近づくと飲食店が増え、駅付近は日本同様ファストフード店などが見えてくる。
パディントン駅に到着。

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一応中へ入ってみる。

地下鉄と地上の駅が乗り入れる広い駅。
日本に帰ってからパディントン展を見に行ったが、パディントン駅は、日本で言うと上野や東京駅のような場所らしく、地方や海外から来た人が最初に利用する駅らしい。
ちなみに、パディントンマイケル・ボンドというおじいちゃんが書いていたお話で、着想は戦後の孤児なんだとか。
熊のパディントンは、ペルーにいるおばあちゃんの元を離れる時に、「この子をよろしくお願いします」と書かれた紙を首から下げてもらっていて、それをぶら下げたまま駅でどこか住めるところを探すんだけど、孤児の姿はそんな感じだったらしい。
最近ギャオで再び映画を観たときは、移民問題とかにも触れているような演出があってけっこう感動した。
でも日本に比べたら等の昔に移民などは多くやってきてるから、今更問題視することでもないのかな。

一応パディントン駅でパディントンのショップに立ち寄る。
この時ももうだいぶ喉もいたくて、常に鼻をかみ続けていて思い返せばコンディションは最悪だった。
グッズはどれもかわいかったけど、今日は帰国目前ということでもう前借りでテンションが下がっていることもあり、何も買わずに出た。

広い駅は、2階にカフェなどが並んでいて、私は上野・東京駅より品川の駅のように感じた。
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パディントン駅からキングスクロスまで戻り、カムデンタウンを目指す。

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路線図

途中ベイカーストリート駅を通過するのだけど、シャーロックホームズの雰囲気満載で降りたくなった。
しかし、カムデンマーケットに行きたいし、カムデンマーケットでは何かしら渋いアイテムを手に入れたいので、ここは心を無にして通過する。
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ちなみに、団地などを見に行ったり写真を取ったりするのが好きなどなたか(昔能町さんのトークライブで対談していた男性だと思うんだけど)は、団地のほかにシャーロックホームズも大好きで、学生時代、シャーロックホームズについて書いたレポートのようなものをどこぞへ一方的に送ったとか何かで読んだ。
dailyportalz.jp
面白いし写真もいいから見て↑

全員が座れる程度にあまり混んでいない車内だった。電車がしばらく進むと、突如楽器の演奏が始まり、中南米系(あまり覚えてないけど)っぽい男性数名がトランペットやギターならを陽気に鳴らし出した。
一瞬、テレビなどで目にする"海外特有のステキなハプニング"かと思うが、海外特有の調子のいいビジネスかとも思う。
一通り笑顔で演奏を終えると、小銭の入ったカップを持ち出して乗客に向け始めた。
これはおそらく後者だったようだ。
ランダムに乗客の目の前に小銭のカップを向けてくる男性たち。
持ち前の閉鎖的な雰囲気で目を合わせずなんとか免れた。
イカーストリートで降りるのがよかったのではないか。


乗り換えのためにキングスクロスで降りる。
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黒のラインに乗り換えればそのままカムデンタウンに行ける。
思えば初日に買ったビールはカムデンペールエールだった。
いつも行く美容室の美容師さんにもカムデンマーケットはおすすめされたのだった。
写真を見る感じはまさにロンドンっぽかった。
印象は、派手な髪の若者とチェックのアウターというまさに雑誌なんかでみるU.K.。
ロンドンっ子としてスナップされる子達はここにいるのではないか。

とろが、改札まで行くと看板がでていた。
なんとカムデンタウンまで通じる唯一の線が止まっていた。
記憶ではデモかなんかで終日止まっていた気がするけどどうだったっけ。

カムデンタウンまでいくバスなどの案内も出ていたが、私はあの2階建てバスの乗り方を知らない。
今思えばバスに乗るせっかくのチャンスだったが、朝から歩きっぱなしで疲れていて、新しいチャレンジをする気分になれなかった。

マーケットといえば地球の歩き方に載っていた別のマーケットがあったので、そっちを目指すことにした。
泊まっているラッセルスクエアからも二駅ほどで近いし、ゆっくり見れそうだった。
そうしてキングスクロスからコヴェントガーデンを目指す。

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コヴェントガーデンは自由が丘みたいに小綺麗で都会的だった。
例のマーケットはモールの中にあり、屋根つきで物色できるらしい。
日差しも強く暑くなってきたので日影で買い物ができるのは嬉しい。
マーケットがあるらしい建物を目指す。

駅から数分の場所に、店が密集し人の出入りも多いモールがあったので、ここかと思い入る。

中は飲食店とショップが並び、中央にはいくつも屋台がでており、そこがマーケットのようだった。

が、実はモールを見つけたときから危惧していたけれど、なんか、つまんない。

これらのマーケットを丁寧に見なくともわかる、ここは絶対つまんない。

なんかこう、アウトレットパークの雰囲気だった。

アイボリーや淡いピンクの建物、中央には広いテーブルとそれを囲む人、人、人、ビールとフライドポテトなどをつまんでいて、フードコートの雰囲気。
たまたまそこが屋外で周囲が洋風の建物なのでお洒落に見えるが、「お洒落にみえる」なのだ。
家族連れやティーンの女子集団、食事とショッピングが一度に手軽に楽しめる、作られた街並み。

今回、ガイドブックを見て目星を付けた場所、ことごとくつまらない。

軽く落胆した。
やはりベイカーストリートで降りるべきだったんだ。

にしても、日本もイギリスも、ファミリー、カップル、10代の若者を集める場所はこうも似てくるのか。

一応マーケットを見るが、(海外に来たのに)こういうテントの店でよく見るデカイ手作りキャンドルとか、手作りのシルバーアクセサリーとか、ブリキのブロンズのオブジェとか、ブリザードフラワーとか、民芸品みたいなストールとか、わかるだろ?
どれも既視感。

ロンドンなのにヴィーナスフォート来たみたいな。

まあ、しかし幸い、ここはホテルからも二駅、隣のホルボーン駅まで歩いて、そしたらその道すがら、昨日ありつけなかったインドカレー屋がみつかるだろう。

香辛料で栄えたイギリス、本格的なインドカレーが楽しめると聞いた。
コレは押さえとこう。
そう言うわけでさらに歩くことにした。

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飾りのついたバス

ロンドン一人旅 5日目 ポートベローマーケット パディントン コヴェントガーデン①

5日目。

いよいよ明日は帰国の日である。

今日は土曜日なので行ってみたかったポートベローマーケットへ行く。

この朝市は日曜以外毎日行われているそうだが、土曜日がメインらしい。

ポートベローマーケットといえばこれまで何度も名前だけは聞いてきた。

雑誌でもよく紹介されるし、何年か前ラフォーレの期間限定ショップではReemというリメイクブランドが出ていたが、ロンドンのポートベローマーケットから買い付けたヴィンテージの布で作った服が並んでいて、高いけど無理して買った記憶がある。

ロンドンにはポートベローマーケットという日常があることがなんともうらやましかったし、そこに縁がないことを悔やんだりもしてきた、憧れの場所だった。

 

朝8時に起きて出発の準備をする。

慣れてきたのか朝起きるのが少し遅くなった。

ポートベローマーケットがあるのは、あのノッティング・ヒル

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実はそんなに好きな映画じゃないけど「ノッティングヒルの恋人」や、飛行機で観た「パディントン」でも、ノッティングヒルとポートベローマーケットは出てきた。

 

朝食は、絶対に食べたいと思っていたイングリッシュブレックファーストを食べることにする。

本当は、地球の歩き方に出ていたブレックファーストクラブという店に行きたかったのだが(同名のアメリカ映画もあるし)、せっかくなのでノッティングヒル付近でいい店を探すことにした。

しかし、結局はパブ同様、通りすがりの普通のカフェで食べることとなる。

 

黒と赤を基調とした都会的で普通のカフェ、色合いからセガフレード・ザネッティを連想させる。

外のメニューで見た通りイングリッシュブレックファーストを注文しようとするが、メニューには微妙に違う2つの値段があり、上にシングルとダブルがある。

ここで考え込むタイプだけどポートベローマーケットが待っているので店員さんに違いを聞いてみると、どうやら量の違いらしい。

後から入ってきた男性はおそらくダブルを頼んでおり、お皿に盛られた具が全て2つずつ乗っていた。

念願のイングリッシュブレックファースト

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あのどろどろした豆!大英博物館でお弁当を広げてた男性も食べてた豆!

5日目にしてやっと口にした。

トマト味でちょっと甘目だった。

 

私はここでもチップを払うのかどうかに迷い、結局チップを払うタイミングがわからず払わなかった。

心なしかスペイン系のお姉さんが冷たかったように感じてしまう。

 

そして道なりにすすみポートべローマーケットを目指す。

かつて何度も雑誌の片隅で見てきたポートべローマーケット。

ヴィンテージのサグいアイテムがきっと見つかるポートべローマーケット。

 

ノッティングヒルのあたりは高級住宅街とあってか、たしかに小綺麗なマンションや家がならんでいた。

タワーマンションのようなものはなく、低層のちいさなマンションが多いので世田谷みたいだった。

 

歩いていると一人、カラフルな家のならびを写真に納める人がいた。

なんの変哲もないきれいなお家という感じなのて、なにか珍しいものでもあるのかと見上げてみると、なんとジョージ・オーウェルの住んだ家だった!

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偶然オーウェルの家を見つけたことに感動した。

ちなみに、この青い丸いプレートが、有名人の住んだ家には掲げられるらしく、たしかサヴィルロウのテーラーが入った建物も、かつては誰かが住んだ家だった。

日本人の名前もあるらしく、調べたとこ、夏目漱石が一時期住んだ家にもあるらしい。

こうしてかつて歴史的人物が住んだ家が、今も普通の人に受け継がれていることが羨ましいと思った。

 

しばらく住宅街をすすむと人が増えて徐々にテントが見え始める。

まずは入り口付近にはいかにも観光客向けと言う感じでタータンチェックスコットランド産のストールが売られた店がみえる。

もちろん私が探しているのはドープな古着やアンティーク小物なのでスルー。

さらにすすむと古着や雑貨などのほか、パンや焼き菓子、お花など本当に何でも売られている。

客層も、私はファッション誌でしかみたことがないからイメージになかったが、老若男女さまざまで、むしろ若者が多いわけでもなかった。

 

一通り店を見て回ったが、出会うはずだった運命の1着はどこにもないし、ありそうになかった。

いや、というか、朝から予感はしていたんだけど、実は明日には帰国という気持ちの落ち込みが、もう来ている。

明日には帰るんだと思うと前倒しで憂鬱な暗い気持ちになった。

しかも喉も痛いし鼻水も出るし、今日は日差しもあって暑い。

 

セインズベリーズでのど飴と水を買う。

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セインズベリーズはスーパーだけれどノッティングヒルの店は大きめのコンビニくらいのサイズで「まいばすけっと」を思わせた。

イギリスのスーパーに詳しくはないが、このスーパーは「フローズンタイム」という映画で主人公が深夜バイトをする店である。

映画の店はイオンみたいに広かった。

 

Locketsというレモン味ののど飴と、エアロのミント味、エビアン750ミリを買う。

ロンドンでは500ミリよりこのサイズを見かけた気がする。

そして全てキャップが落ちないようになっている。

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この写真は空港で

 

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のど飴

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Sainsbury's

パン屋や服屋を横目に、ゆっくり鼻をかめる場所をさがしマーケットの途切れた十字路に反れた。

 

風邪、喉の痛み、鼻水、日差し、体調の悪さと明日には帰る悲しさとで、テンションあげて買い物なんてできなかった。

 

ちなみに最近知ったことだが、このあたりは実話をもとにした古いサスペンス映画「10番街の殺人」で撮影に使われた、そして実際に事件のあったアパートが近い。

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リリントンプレイス

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黄色がラフトレードレコード

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鼻をかみおえてふと顔をあげると、見覚えのあるフォントが目に飛び込んできた。

「ROUGHTREAD RECORD」である。

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正直詳しいわけではないが、グラスゴーのバンド、ベルセバことベルアンドセバスチャンなどはこのレーベルから出ているはずだ。

多分ロンドンに暮らす私みたいなゾーンの女の子が、ceroとかヨギーを聴く感覚で手に取るのではないのだろうか。

私の好きな文房具店のお姉さんもベルセバがすきだし、ロンドンに行くというと、roughtraderecordという名前がすぐに出てきた。

 

ちょっと勇気を出して中に入る。

記念に何か欲しかったけれどなにも買わずに出た。

ああ、多分今日はそういう日になる。

何か欲しいけど何も買わない日だ。

 

午後にはカムデンマーケットにいくつもりのため、ポートべローマーケットは端まで行って折り返し、電車に乗るためパディントン駅まで歩いた。