日記

日記です

オフィスゴシップからの転職活動①

コンサバ女子から、元ラッパーからの性行為の強要があった話を聞いた2日後、私は上司(うちの部の女部長50歳くらい)から呼び出されることになる。

 

正直、その日の朝、隣の席(元ラッパーが隣だったが、謹慎←と私たちには言っておらず家庭の事情で1週間お休みだった 後、席替えがあり、私の向かいが元ラッパー、隣が40後半の女先輩となった)の先輩(40後半女性)から「今日時間ある?」と聞かれ「はい」と答えた時点であの話があるんだな、とぴんときてきた。

 

実はその週の日曜日、私がコンサバ女子から話を聞く前であるが元ラッパーの不祥事はだいたい予想がついていたため、休日出勤で早く仕事が片付いた私に、女部長から「帰っていいよ」と早めに促された時点で、うちの部の他のメンバー(女先輩と40歳男社員)には元ラッパーの不祥事を説明するのだろうと思いながら、早く帰った。

 

コンサバ女子が早めに上がった17時頃、女部長がコンサバ女子が帰ったことに気づき女先輩と目を合わせ、私と女先輩とを会議室に連れて行った。

やはり内容が内容だけに話しづらいのか、まずは「じゃ、○○くん(40歳男)に結婚祝い何にするか話し合いまーす」という茶番から入った。

 

ふうん。と出方を伺いつつとりあえずその話題に乗り雑談したが、それも一段落すると女部長が言った。

「最近の社内についてどこまで知ってるの?」

正直「は??」である。何て一方的でなぜか偉そうなんだ、しかしそんな態度はなるべく抑え「最近って、2月に入ってからですか?それとも1月のことですか?」と逆に質問してみた。だってこんな尋問みたいな聞き方をされる筋合いがない。

 

「まあ、1月でも2月でも」と女部長はめんどくさそう。

「2月はNさん(元ラッパー)やKさん(コンサバ女子)をさ巻き込んだミーティングが多くあって、変なメンツだし様子がおかしいなとは思ってました。1月もKさんが泣きながらOさん(この女部長)に相談してるし、最近はNさんが急に午後半休でそこから1週間お休みっていうのも変だったし、だいたいあの日、午後半休はあらかじめ決まってはいなかったはずだし、最近様子が変だなと思ってました。」

「うん、それは事実の羅列だよね、知ってることを教えてほしいの」

この言い方も腹が立ったが、基本的に人にトゲのある物言いをすることが大得意な人なのでとりあえず怒りを隠しながら続けた。

「以前Kさんから、Nさんにセクハラっぽいラインをもらったりしていると聞いていたので、Kさんに、もしかしてNさんのこと上の人たちに言ったの?と私から聞きました。」

私から聞いた、という点に少し驚いていたようだった。

「で、なんて言ってた?」

「実はそれよりもひどいことが起きたと言ってました。」

「ひどい事って?」

こいつ、質問すればホイホイ話すと思いやがって、と思い試しにブレーキをかけた。

「それは私の口からは話したくありません」

「どうして?」

「この質問の意図が見えないからです」

と言うと私は全部知っているから話して大丈夫だと言われ、私の質問の答えにはなってないが、とりあえずは

「社内に残って仕事をしていたら一度帰ったNさんが戻ってきて強姦された(という言い方はコンサバ女子は使っていないが)と聞きました」と話した。

「そう、そう聞いてると思うんだけど、それは合意なのね」

と女部長は説明を続けた。

部長曰く、自身も最初はコンサバ女子に同情し泣きながら話を聞いたし、元ラッパーのことも本当に怒ったが、私が聞いている話はコンサバ女子側の話であって事実はちょっと違う、とこのことだった。

「びっくりした?でもね、これは私が決めたことじゃなくて、私的感情の入らない弁護士さんが判断したことなの。」だそうだ。

「こういう話だと思った?」とものたまっていた。

 

合意?と聞いて疑問は残ったものの、私が想像するような純然たるレイプで無ければそれは良かったと思ったが、一般的にデートレイプは犯罪を立証しづらいと聞くので、ラインなどの物的証拠を並べるとそうなってしまうんだな、と私は受け取った。

部長の言うことを要約すると、まず弁護士が合意と判断(ラインなど見てそういう結論)し示談となった。

元ラッパーは自宅謹慎の他きちんと罰も受けており、犯罪性がない以上解雇はできないため会社に残るし、それはコンサバ女子も了承しているとのこと。

最後に「だからね、Nくんに処罰感情を持たないでほしいの」と言い、ここまで聞いてどう判断する?会社に対して不信感はない?と言われたため、それは今は分からない、今後時間がたってからNさんに対して嫌になるかもしれないし、それはその時になってからでないと分からない、と答えた。

 

話はここからやや転換した。

この問題は終わっているのにいつまでもコンサバ女子にめそめそされては困る。という内容。

それと彼女には守秘義務があり、示談の際に口外しないという約束で弁護士の前で書面に判子もついているのに、人に漏らすとは問題だ、という内容に移り変わっていた。

 

たしかにコンサバ女子は仕事中に泣いたり早退することもあり、仕事が手につかない印象もあったし、私にこの話を打ち明けてからはよく私の席に来て、思い出したように元ラッパーへの怒りや示談と言う対応への納得のいかなさを語っていた。

が、私としてはコンサバ女子には同情するし、そうして感情が抑えられなくなって先に書いたような行動をするのも仕方ないのではないか、と思っていた。

 

それと、上の人達、つまり会長(70代のおじいちゃん)や副社長(50半ばの女)はこの出来事を性犯罪という風には受け止めず、やんちゃな男女のお遊びくらいにしか受け取っていないだろうと思うし、そういう軽い受け止め方であればコンサバ女子に対するセカンドレイプ的な発言もきっとあっただろうと想像できる。

 

合意と言ったって、会社に訴え出るほどなのだから、なにか不本意なことがあったことは確かだろうし、どのみち元ラッパーは妻子もあるのに会社の後輩に手を出してモラルを欠いていることは明らかで、お互いに満足のいくWin Winな性交渉ではなかった証拠に、こうして周囲に訴え出られるような恨みを買うようなことをしたのは事実であろう。という感じで、あまりコンサバ女子への同情心が薄れるということもなかった。

 

しかし40後半の女先輩などは「ほら、○○さん(私)もさ、ああやって席に来られていろいろ相談されるのも大変じゃない?」とか「女って怖いね~」という反応で、合意と言う話に異論も疑問もないようだった。

女部長は、これからどうしようか~?とコンサバ女子の対応に苦慮しており、加えて「私は弁護士からこの判断を聞いて完全に彼女の味方になることを辞めてしまった」というようなことを言い、さらにわざわざ言わなくてもいいのに「それに私はもともと彼女のことが好きではないので」と言っていた。

 しかし、最初に同情していたものの、弁護士という存在の一言でそんなにもコロっと考え方が変わってしまうのはある意味恐ろしい。

肩書が「スーパー偉い大統領総理大臣」みたいな人が出てきて、ホワイトボードを指さし「これは黒だ!」と叫んだら「そうだ黒だ!」とコールアンドレスポンスしてしまう人なのだろうか?

 

今後のコンサバ女子の扱いどうしようか?という話題から、(部長の指示で)もう一人オフィスに残っていたコンサバ女子の先輩も途中から会議室に加わり、コンサバ女子対応の相談会へと移行した。

上司はコンサバ女子の先輩にも「いつもああやって横で泣かれたり相談されたら大変でしょう?」という論調だった。

このあたりで、「で、この話は彼女には言わないでほしいんだけど、だって傷つくでしょう?」と私に対して口止めを言い渡した。

私はコンサバ女子がいつまでも泣かれちゃあ迷惑という話の口止めだと認識し、「それは傷つくので言いませんよ」と答えた。

しかし、あまりにもコンサバ女子迷惑、という論調に耐えられず、また、元ラッパーの罪というものが置いてきぼりになっているのもフェアじゃないと思い、なんとか元ラッパーがそもそもの原因であることを思い起こさせたいと思い、あれこれと説得を試みた。

 説得の方法は以下の通り、まずは合意とう認識に疑問を持ってもらうために奮闘した。

「だけど、合意って言っても弁護士さんはラインで判断してるんですよね?そのラインだと冗談だと思って適当に相槌をうつことだってあるし、それって合意になりますか?」

「この出来事は弁護士から見た法的な事実と、Kさんから見た事実と、Nさんから見た事実と3つの事実があって、それは私たちにはわからないですよね?だとしたら合意だとも断定できなくないですか?」

これらは全く効果をなさなかったため、元ラッパーの人間性を問う内容にシフト。

「まあ、Nさんも自分の魅力を試したかったんでしょうね?俺ってまだイケるのかな?若い女抱けるのかな?っていう動機じゃないですか?」

「それに、Nさんはまたやると思いますけど。今回のことで懲りたと言っても、それは会社の女の子に手を出すとごたごたが起こるからマズイ、って思うだけでこれからは外でセフレを作るってだけのことだと思いますけどね」

これについては女部長も「・・・そうだね、そういう人はそうだっていうもんね・・・」と少しは届いたようである。

 

それからおよそ一週間後、コンサバ女子とはもともと約束をしていたので、退社後会社近くのカフェで待ち合わせた。

事件はそのあと起きた。

つづく