日記

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ロンドン一人旅 最終日

13時頃の飛行機に乗る予定なので、午前中にできることなど特になく、忘れ物をしないように荷造りしてホテルを出る。

堀辰雄の「風立ちぬ」に、今病室から見る夕日がこんなにも美しいのは、病床の妻とあと何度見れるかわからないからだ、というようなことが書いてある。

私もまったく同じ気持ちだった。

安いビジネスホテルも、最初の朝間違って入った大食堂の喧騒も、結局利用しなかったラウンジも、ホテルに併設されたパブも、全部全部が愛おしい。

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感傷的な気持ちでホテルのキーを返すためカウンターに向かったが、ただ単にキーをカウンターに置いたらそれで終わりだった。

そうか、私の一世一代のロンドン一人旅も宇宙から見ればこのくらい些細なことなのだ。

ホテルの1階にある広間では、ポストカード一市のようなものがやっており、キャリーバッグを押しながらちょっと覗こうかと思ったが、有料だったのでやめた。

土産物屋には、いかにもなロンドン土産が売っており、二階バスのミニチュアやポストカードもロンドンらしいタクシーに、イングリッシュブレックファースト、クイーンや、ちょうど結婚式の終わった頃だったのでメーガン妃など、これぞロンドンというものが並ぶ。

北海道でいう「熊注意」の類の、学生のおふざけ買い以外では絶対いらないものたちだが、ありきたりなポストカードでさえ愛おしく感じる。

なぜ買わなかったんだ。

ホテルの多い地域なので土産物屋もよくみかけた。

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そんな定番の土産物の一つに、ロンドンの地下鉄のマークを模した

Tシャツがある。

中央の青いバーに「Mind the gap」と書かれたものをよく見かけた。

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私はイギリスらしいスラングでも書かれているのかと思っており、いい大人が絶対に身に着けてはいけない類のものだろうと踏んでいた。

この間も家の近くで「令和」と書かれたTシャツを身に着けた外国人を見かけた。あのあたりは観光地ではないが。

私の解釈は以下の通りである。

Mind the gap・・・ということはあれだ、マインドとギャップ、理想と現実のギャップ、転じて理想を高く持ちすぎるなギャップに苦しむから、という実に階級社会らしいスラングだ、と思っていた。

ところが、帰国2日前ほどのこと、ふと地下鉄でMind the gapという言葉を耳にしたのだ。

それも人の会話ではなく、駅のアナウンスで。

電車がホームに滑り込むとき「Please mind the gap」とアナウンスが流れるのだ。

つまり、日本でいう電車とホームの隙間にお気を付けください、の意味である。

このMind the gapはTシャツになるのもその通りで、イギリス英語らしい言い回しなのだとか。

調べたとこによると、アメリカ英語で「注意」の意味として用いるなら、Watchとか、Caution、でMindを使うことはほとんどないそう。

 

本当は、土産物屋でイギリス女王の置物を買って帰りたかったが、ホテルにも駅までの道のりの土産物屋にも無かったのであきらめた。

 

飛行機までの時間は十分に時間があるが、直前に慌てたくないので余裕を持っていくためにも、今日の予定は何もない。

パブのスワンはホルボーンまでの途中にあるので、キャリーバッグを引きずりながら歩いていった。

人通りのないしんとした朝のパブ。物悲しさに拍車をかける。

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まだ歩いたことのなかった通りに公園があった

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たしかパブのあるここはコスモプレイスという通りだ。

地図を見ると、車も通る大通りはRoad 、way 等の名前がつき、車1台分くらいの通りがstreet、そして人しか通れないような道はPlaceとなっている、気がする。

 

あっという間のロンドンだった。

ふと、私ロンドンに触ってない 、と気付きその辺にある建物の煉瓦に中指てつんと触れてみた。

当たり前だかゴツゴツしてザラザラしていた。

 

到着初日に通ったラッセルスクエアも歩いてみる。

初めてロンドンで迎えた朝、大英博物館に行くためこの辺りを歩いたが、恐らく通勤途中の人々が反対側の通りにショートカットするため無心で歩いていたのを思い出す。

することがないし、あえて別れを惜しんで感傷に浸りたいから無駄に散策する。

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初日に駅に降り立ったとき目に留まった駅前の売店で、通勤途中のように、まるで日課のようにホットコーヒー(ここではアメリカーノか)を頼みたかったが閉まっていた。

土日はやっていないのだろう。

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そうして一通り町と別れを惜しんで地下鉄に乗り込んだ。

ピカデリーライン一本でヒースロー空港までついてしまう

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駅に着くまでロンドンをひたすら写真に納めながら、昼前のがらんとした地下鉄で泣いた。

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帰りたくない。それに帰ったところで6月からは、特に思い入れもない新しい仕事が始まるだけだ。

一体誰が、「期待と不安の入り混じった」なんて言葉を発明したのだろう。

少なくとも就職に関しては「倦怠と不安の入り混じった」の方が正しい。

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駅についてまずはオイスターカードの払い戻しをする。

意外と4ポンドも戻ってきた。何に使おう。

ヒースロー空港では、まずはTaxFreeの手続きをする。

もらっていたレシートに何か書いて受付に持っていけばあとは係の人がやってくれた。しかし、払い戻し分を口座振り込みにチェックしたにもかかわらず現金で返って来た。困った。現金はある程度あるし、今日空港で使い切れるのだろうか。

とりあえず、ロンドンでよく見かけたけど一度も入らなかったカフェに入ってみる。

Cafe Neroという店。セガブレードザネッディみたいな店だろうか。

カプチーノを頼んだ。

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お腹はあまり空いていないが事前に調べていたレバノン料理の店を探す。

本当はインドカレーが食べたかったが空港内になかったのだ。

ハーブの味でおいしかった。

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そして海外旅行の定番、Duty Freeの店で化粧品を買うのだ。ここで手持ちのポンドを使い切らねば。

しかし、こういう時に限ってこれと言ってほしい物がない。

だいたい私はいまだに、10年以上前にアルゼンチンかバルセロナに行ったときに買ったシュウウエムラのフェイスパウダーも、クリニークのペンシルライナーも使い切っていない。

絶対に今何かしら買うべきなのだ。

しかし店員さんを呼び止め口紅の試し塗をする勇気もない。そうして結局消耗品であるネイルのセットを購入した。

ポンドの硬貨がじゃらじゃらと残っているが、意外と買い物に時間がかかってしまいもうゲート入りの時間がきてしまった。

レジで店員さんがお喋りしながら接客をしている間にも、なにやらアナウンスが流れている。

そして早歩きでゲートに向かう。

途中、「Donate」のBoxを見つける。なるほど、私みたいな人の使わない硬貨はこうして有効活用した方がいい。ロンドンでは最初から最後までDonateを見かけた。

しかし、結局Donateせずに飛行機に乗った。

 

ロンドンでペットボトルを買うとこの口が多い↓

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